(差替版)A4_総合人間科学系研究紹介_2021x4 (7)
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も行なっています。バイオメカニクスの分野における、運動が心身に与える影響について研究しています。また、運動を習慣づけるためにどのようにすれば、楽しく行えるかを研究しています。とくに携帯音楽プレーヤーをつかって、楽しく運動をする方法や、自己効力感を高め、習慣付けを強化する方法の開発を行なっています。また、学生の健康増進と、運動習慣獲得のための授業方法の開発など研究テーマは、ヒトの運動感覚や、運動中の脳と筋肉との関係を解明することです。我々は、目的する運動を完全かつ正確に行うことは困難です。その理由としては、主観的な運動強度の段階付けが正確ではないことや、様々な要因によって筋肉の収縮力が影響を受けることがあげられます。それらを解明するために、筋活動や力学データを用いた測定を行っています。担当授業は、健康科学・理論と実践(1年次必修科目)、コオーディネーションエクササイズやスノー・スポーツ、身体運動科学ゼミなどです。運動習慣があり、健康で体力があるということは、仕事や趣味などの人生を豊かにすることのベースになります。そのため、しっかり運動習慣を身につけることができれば、どんな分野の仕事でも充実して携わることができ、結果として、人生を豊かに、また自己の能力をしっかり発揮して、充実して過ごすことができます。運動の効率を上げることや、動作の習得などには、トレーニングが必要です。しかしそのトレーニングも闇雲に行っても効果はでません。原理原則に則ってしかも楽しく行うことが大切です。これはなにも運動に限ったことではなく、学問や趣味の習得にも当てはまります。運動をできるようになる成功体験は、そのまま他の能力の習得に応用できます。そのため、どのようにすれば効率良く運動を身につけることができるかを理解することは、生涯にわたって学び続ける素地を作ることになります。近年、体育・スポーツの分野では、科学データの有効活用が盛んになっています。それは、トップアスリートの強化に限らず、学校教育の現場においても同様です。経験的に理解していた現象に根拠を付け加えることで、教育、指導方法としての有効性を高めることにつながります。また、科学的根拠は、スポーツ工学やスポーツ行政の分野においても重要なコンテンツです。運動は、目に見えて結果がすぐわかる良いツールです。運動やスポーツに興味を持ち、探究し、未知の事柄を解明する一連のプロセスを良い経験にして、これからの人生に役立てて欲しいです。杉本 光公 教授筑波大学大学院博士(体育科学)1998年 信州大学 農学部を経て、2008年 全学教育機構。速水 達也 准教授新潟大学教育人間科学部卒業、筑波大学大学院人間総合科学研究科修了、博士(体育科学)。札幌医科大学理学療法学第一講座研究員を経て、2010年から信州大学に着任。9スノースポーツの授業における根子岳登山の山頂トライアスロンのバイクコオーディネーションエクササイズでは、学生達が考案したエクササイズを実践します。ヨーロッパスポーツ科学会議での研究成果発表ポスタートライアスロンのランニング健康科学教育部門健康科学教育部門スポーツを通した自己実現で、世界を広げる運動の巧みさのメカニズムを探る

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