(差替版)A4_総合人間科学系研究紹介_2021x4 (7)
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情報技術で作られた環境自体が私たちの生活環境であることも珍しくなくなった今の時代においては、実体の感じられない数値が独り歩きしています。かつてアナログ技術中心だった時代のように、私たちと環境とをつなぐ界面(インターフェイス)に適切なアナログ表示/操作技術を導入することで私たち人間が環境理解の手助けに情報技術をよりよく活用できるようにすることを目指し、研究を進めています。映像のステレオ化が視聴者の記憶や物語の解釈にどのような影響をもたらすかというテーマに取り組んでいます。二次元画像と三次元画像を比較することで、人々の注意にどのような違いが見られるか、知覚対象の解釈にどのような影響がもたらされるか、映像表現によりインパクトを持たせるには奥行き情報をどのように扱えば良いのかなど、立体視することの利点、特異性を明らかにする研究に従事しています。また、心理検査の検査データから各種指標を自動集計し、解釈文までを生成するコンピュータプログラムの作成に関する研究にも取り組んでいます。つは音声入力というアナログ入力に移りました。態度を涵養するための見方を提供して行きます。情報技術の成熟が進んだ結果、時代を動かす技術の一そんな音声入力ばかりでなく、IoTの活用の社会浸透は、今後の私たちの生活環境を情報技術を感じさせないものへと、さらに変えて行くことでしょう。授業では、そうした社会変化へ主体的に取り組むべきどのような分野に進もうとも、内在する情報技術を無視しては進まない時代になりました。情報技術の大きな特徴は、対象に合わせて自在に姿を変えられるものだと、受講生たちが自然に感じられるようになることを期待しています。二十世紀以降、ステレオ写真・映像は数度にわたって注目を浴びてきましたが、それは主に立体的に見えることによる素朴な驚き、目新しさによるもので、多くの人が必要とする表現手法としてみなされたわけではありません。知覚対象の理解や物語の解釈にまで影響することが明らかになれば、映像を立体化することの有用性を示すことができると思われます。現在、特定の娯楽分野、産業分野における立体視技術は必要不可欠なものとして定着しています。応用領域が増えれば、どのような立体映像が最適なものかを判断する認知心理学的な研究がより一層必要とされるでしょう。鈴木 治郎 教授上智大学理工学研究科博士後期課程修了。1990年信州大学医療短期大学部講師に着任、2004年同大医学部保健学科教授を経て、2006年より同大全学教育機構教授。湯田 彰夫 教授早稲田大学教育学部教育学科卒業、同大学大学院文学研究科心理学専攻博士後期課程単位取得退学。産能短期大学助教授、信州大学教養部、繊維学部、全学教育機構助教授�准教授を経て現職。8Wordはタブレットで指(アナログ)操作困難であることを論証BMI計算尺(コンサイス社)何を計算しているか明瞭『P-Fスタディ解釈支援システム』入力データと結果の解釈刺激として用いたステレオ動画のキャプチャー画像(平行法)ゼミ学生設計の東京ドーム比計算尺、パテントコンテスト応募作品『P-Fスタディ解釈支援システム』各種指標の集計結果自然科学教育部門自然科学教育部門IoTの時代にアナログ技術を通じて情報を可視化する人間の情報処理と情報化社会について

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