保健学科_研究紹介2021
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―17―看護学専攻広域看護学領域こどもの笑顔と成長を支えるために家族の「育児」と「育自」を応援する 乳幼児期は「人」のこころや身体の基盤をつくる大切な時期です。この時期の親や家族の関わりはとても重要で、子どもだけでなく親も人間的に成長が必要となる時期でもあります。 しかし、近年増加している乳幼児虐待の背景には、育児に自信がなく不安を抱え込むなどの育児力の未熟さや、家族で育児に取り組めず負担が偏っている状況、障がいや病気によって育てにくさを持つお子さんの育児等が複雑に関連します。そこで、育てにくさを持つお子さんのお父さんの育児をテーマとして、実際の育児状況や心情・意識、家族内や社会との関係性を調査することで支援ニーズの明確化や親になった後のライフプラン設計などの提案を目指しています。 「育てにくさ」をもつ発達障がいのお子さんの育児を切り口に、育児をするすべてのご家族に汎用できるような育児支援を提案します。 また、育児をとおしてご両親自身も成長し、家族全員が笑顔でそれぞれの人生を楽しめる力を養えるよう応援します。 そして、お子さんと家族にとって大切な時期を充実して過ごしてもらうため虐待予防も視野に入れ、社会的支援の実施につなげます。 地域で暮らす人々の生活に入り込み、赤ちゃんからお年寄りまで全ての住民の健康な暮らしを「予防」の観点から支える立役者「保健師」として将来活躍する人を目指せます!「保健師」は、保健所・市町村保健センター・企業など病院とは異なる場で活躍します!公衆衛生看護学研究から広がる未来卒業後の未来像赤ちゃんの「発育」をみるための技術を学ぶ演習の風景家族の笑顔は子どものこころの成長に不可欠地域の課題について住民の方々とディスカッションをする弘前大学医学部保健学科看護学専攻卒業。信州大学医学系研究科修士課程修了(医科学修士)。長野県保健師として勤務。2013年に信州大学医学部保健学科に着任。石田 史織 講師看護学専攻広域看護学領域笑顔で子育てができるようにお母さんの“自己肯定感”を高めたい 市保健センターで保健師として働いていたとき、乳幼児健診や子育て相談の場で多くの親子やご家族と出会いました。その中で、大変な育児を乗り越えていくためには、お母さんが自分自身を大切にできることがとても重要だと考えるようになりました。 それでは、お母さんが自分を大切に思えるためには、何が必要でしょうか。お母さんや子どもを地域で見守る保健師は、どんな関わりができるでしょう。自分自身を大切に思える=“自己肯定感”を一つのテーマとして研究し、お母さんが笑顔で子育てに取り組めるように保健師ができることを探求しています。  お母さんの自己肯定感にはどんな生活背景が影響しているかを研究することで、必要な支援を考えることができます。そしてお母さんへの支援を通して、子どもの自己肯定感を高めることを目指しています。自分を大切にできると、周りの人のことも大切にできるようになります。そんな優しい世界、素敵だと思いませんか? 保健師は市町村保健センターや企業などで、疾病予防、健康増進に取り組みます。幅広い世代の方とお会いし、暮らしを支えるために多職種と連携して支援します。常に疑問と根拠を持ち、よりよい支援を追求しつづけていける保健師を目指しましょう。公衆衛生看護学研究から広がる未来卒業後の未来像赤ちゃんの発育はどうかな?(演習の様子)保健師コースの実習では、住民の皆さんに健康教育を行います長野県安曇野市出身。信州大学医学部保健学科看護学専攻卒業。松本市保健師として勤務。2021年に信州大学保健学科看護学専攻に着任。大澤 玲 助手出典:厚生労働省 健やか親子21(第2次)ホームページより

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