医学科・保健学科入学案内2022
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 これらの授業の目的は「自ら学び,多角的な視点で考える」姿勢を得ること,「チーム医療の意義」を理解することです。これらの姿勢や意識を身にチーム医療の基盤をつくる!つけることは,今後の医学部で学ぶための,あるいは医療現場で働く際の大切な基盤となると考えています。 医療現場でスタッフがスムーズに連携するには,それぞれの役割を理解し,互いの意思疎通に支障がないことが肝要です。スムーズな連携は,即患者さんのメリットにもなります。 信州大学は,2002年度に医師以外の医療職の専攻を担ってきた医療技術短期大学部を保健学科とし,医学部に統合しました。統合に伴い,教員の間でかねてから要望のあった,チーム医療を見据えた合同授業の設置が検討され,2004年度から医学部合同新入生ゼミナールを開講しました。 「合同新入生ゼミナール」では,1年前期の早い段階から,チーム医療の重要性や能動学習の意義と方法,そして,より良い保健・医療・福祉のあり方を学ぶことを目的として,医学科・保健学科合わせて約260名の学生が40グループに分かれ,各自が医療の現場には 垣根がない!調べた資料を題材にグループワークで討論し,それをパワーポイントにまとめて発表を行うという授業を行っています。 また,4年次後期の「合同チーム医療演習」では,より専門的な視点からチーム医療の重要性と各職種の役割,チーム医療における問題解決過程の進め方とその要点についての実践的な理解を深めることを目的として,医学科・保健学科合わせて約260名の学生が30グループに分かれ,リアリティーのある模擬患者の医学的,心理社会的な問題に対して,各職種の専門性を紡ぎ合いながら,問題解決の方向性について討論を行い,それをパワーポイントやロールプレイを用いて発表するとともに,学生同士で質疑応答を行うという授業を行っています。 医療現場では,医師,看護師,臨床検査技師,理学療法士,作業療法士など,様々な職種のスタッフが関わりながら治療にあたっています。しかし医学教育の段階では,異なる医療職を目指す学生たちが,一緒に学ぶ機会を得ることは少ないです。 そんな中で本学部では,学科や専攻の垣根を取り払ったチーム医療教育の充実を目指して,医学科・保健学科(看護学専攻,検査技術科学専攻,理学療法学専攻,作業療法学専攻)の合同授業として,1年次前期の「医学部合同新入生ゼミナール」と,4年次後期の「医学部合同チーム医療演習」という2つの授業を行っています。チーム医療教育の充実を目指した医学部医学科・保健学科の合同授業23

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