2022工学部研究紹介__日本語版
85/152

助教森本瑛士研究から広がる未来卒業後の未来像自然災害や地球温暖化、人口減少など都市に関わる問題に対応して、望ましい都市の在り方というのは変わってきています。本研究室では①どのような都市像が自然環境や人々の生活環境等にとって望ましいのか、②その都市像の実現に向けた現状や将来的な課題の解決、に関する研究を行っています。特に、人口減少や地球温暖化に対応してコンパクトシティとそれを支える交通ネットワークが重要とされており、それら観点に防災・減災の観点を加えて、コンパクト+ネットワークによる都市の持続性を主な研究テーマとしています。未来予測をあてるには未来をつくることが一番と言われています。これは本分野でも同様です。より良い未来の都市像の模索やその将来像の実現に向けて現状の課題や将来的な課題の解決に関する研究することで、より未来をつくっていきます。卒業研究等を通じて培った現在及び将来的な課題解決能力を活かし、主に計画分野からまちづくりに携わることが考えられます。主な就職先は公務員、計画系コンサルタント、シンクタンク、鉄道・道路会社等が挙げられます。栃木県出身。筑波大学大学院博士課程後期を修了後、2020年より現職。研究分野は都市計画を主とした都市交通計画、都市地域計画、都市防災・減災計画、等。持続的な未来の都市を計画する【私の学問へのきっかけ】初等教育で地球環境問題を学んだ際、将来への危機感を覚えました。その後成長していく中で、都市問題の解決が環境問題を始めとする問題に貢献できると考えたこと、現在発生している問題だけでなく将来発生する問題を予測・予防することが重要であると考えたこと、からこの学問を学び、未来の地球に貢献していくことを志しました。研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワードコンパクト+ネットワーク・持続性・⽴地適正化・防災減災まちづくり・未来計画•コンパクトシティ+ネットワーク•都市機能の誘導・補完•拠点計画•広域計画•計画間の整合性•防災・減災まちづくり•都市と農村の連続性•災害リスクを踏まえたコンパクトシティ計画の策定に向けた検討(科研費:若手研究)•浸水被害及び地価・人口分布からみる居住誘導区域の有効性の検証とその改善策の検討(河川基金:一般研究者)最近の研究トピックス●被災も想定した都市機能の確保将来の望ましい都市像を考える⽔環境・⼟⽊⼯学科図洪水浸水想定最大規模別の医療施設数の割合浸⽔想定なし0m以上0.5m未満0.5m以上3m未満3m以上5m未満5m以上10m未満10m以上20m未満0%20%40%60%80%100%長野市(n=323)上田市(n=115)須坂市(n=46)中野市(n=32)飯山市(n=15)千曲市(n=43)坂城町(n=10)小布施町(n=8)木島平村(n=4)9市町村計(n=596)凡例洪水浸水想定最大規模別の医療施設数の割合被災により麻痺する可能性がある都市機能を特定した上で、それら都市機能をいかに確保していくかを検討しています。●市町村計画の広域的整合性市町村間の連携強化等を目的に、各市町村計画の目標がいかに市町村間で異なるかを拠点や交通などの観点から把握した上で、その解決策を模索しています。83

元のページ  ../index.html#85

このブックを見る