2022工学部研究紹介__日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワードナノカーボン・ナノ構造制御・触媒化学気相成⻑法・⽔処理膜最近の研究トピックス准教授⽵内健司研究から広がる未来卒業後の未来像竹内研究室では、21世紀素材であるカーボンナノチューブに代表されるナノカーボン(ナノメータサイズで精緻に構造が制御され、それによって従来には無い高度な性能が付与され、革新的な機能を発現する炭素体)について研究しています。それらナノカーボンの精緻な生成・構造制御により、超高機能複合材、超軽量導電体、高性能エネルギー貯蔵デバイス(リチウムイオン電池や電気二重層キャパシタ)および高性能水分離膜などに応用しています。身近にある炭素は古くて新しい魅力的な素材として今注目されています。ナノカーボンを用いたナノ構造制御による高強度かつ超軽量ケーブルによって宇宙エレベータも夢物語ではなくなってきています。また、世界中で水不足が大きな問題となっており、革新的な水分離膜の実現に大きな期待が寄せられています。当研究室では、物理、化学、電気など広範囲に渡って先端ナノテク研究を行っています。それによって卒業生は、化学、材料、水処理、環境、自動車、繊維、食品といった企業や研究機関での活躍が期待できます。21世紀の⾰新的素材であるナノカーボンを⽤いて世界の環境問題に挑む【私の学問へのきっかけ】小中学生の時にコンピュータに興味を持ち、漠然と科学者に憧れを感じていました。高校生や大学生になると恩師の影響もあり、特にナノ物質について興味がわいて、この世にない全く新しい物質を自力で創成してみたいと強く思うようになりました。まだ満足できる物質は創成できていませんが、一生かけてチャレンジしていこうと思います。⽔環境・⼟⽊⼯学科ナノカーボンの構造モデル(左)と当研究室で主に研究している二層カーボンナノチューブの高分解能電子顕微鏡写真(右)構造制御したナノカーボンを用いた強靭性を有する海水淡水化用高性能メンブランの構造モデル信州大学大学院工学系研究科博士課程を修了後、企業技術者を経て2008年より現職。研究分野はナノカーボンの創成と応用。•ナノカーボンの精緻な構造制御およびその構造解析•ナノカーボンを用いた逆浸透水分離膜(海水淡水化等)•膨張黒鉛を用いた油混合水(随伴水、工業水他)からの油分除去•カーボンナノチューブによる超軽量高電導電線(銅線代替)•新規ナノカーボンを用いた高性能エネルギー貯蔵デバイス(リチウムイオン電池、電気二重層キャパシタ、燃料電池)•構造制御ナノカーボンを用いた超高機能性複合材(樹脂、ゴム)•農林水産物の残渣を用いたバイオナノカーボンの創成と応用•カーボンバンドルによる新規軽量導体の研究開発(経産省)•カーボンナノチューブを用いた革新的超軽量電線の開発(経産省)•CNTを用いた超軽量電線の開発(経産省)•農林水産物由来のナノ材料の創成と応用の開拓(農水省)•カーボン膜による脱塩技術の開発(海水淡水化、随伴水処理、かん水利用)(文科省)•反応場ナノ構造制御による連続した超長尺CNTの創成とその機構解明(文科省)•構造制御ナノカーボンを用いた革新的低密度モノリス型ポリマーナノコンポジットの創成(文科省)•精緻な構造制御による超軽量高導電CNTケーブルの創成(文科省)•高機能性ナノカーボンに関する研究(民間企業)•新規リチウムイオン電池用電極材料開発(民間企業)•カーボンナノチューブ線材の開発(民間企業)•新規水分離膜、スペーサの開発(民間企業)他多数ナノカーボンの応用イメージ(あらゆる分野への応用展開が可能で多くの分野の企業と幅広く共同研究を実施)77

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