2022工学部研究紹介__日本語版
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研 究 シ ー ズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード蓄電池要素材料、⽔系/⾮⽔系電析、⽔晶振動⼦、カーボン材料、複合めっき•蓄電池要素材料の創製(Li, Na, K, Mgイオン電池/負極材料・集電体基板創製)•分光学的手法を用いた電極材料の反応解析(水晶振動子マイクロバランス,その場ラマン分光測定など)•空気電池を志向したLi金属,Zn金属負極の析出形態制御(溶媒和構造制御,電極構造の修飾,表面処理)•イオン液体の電気化学デバイスへの応用(蓄電池電解質/カチオン・アニオン構造の修飾)•CNT複合めっき法による機能性材料の創製(電気接点・熱伝導・異種材料接合など)•2020-2022年科学研究費補助金基盤研究B「対極電位から再考するマグネシウム二次電池負極としての黒鉛の可能性」•2018-2019年科学研究費補助金若手研究「高性能金属空気電池の実現に向けたZnの析出形態制御」•2018-2019年公益財団法人浦上奨学会研究助成「多価カチオンを用いたLi金属二次電池の長寿命化」•2018-2018年公益財団法人池谷科学技術振興財団研究助成「蓄電池負極としてのZnの電気化学的成長機構の解明」•2017-2017年公益財団法人村田学術振興財団研究助成「CNT自立膜複合体の電気化学的創製と蓄電池への応用」•2016-2017年科学研究費補助金研究活動スタート支援「三次元多孔質集電体一体型二次電池負極の創製」•2015-2016年日本学術振興会特別研究員奨励費DC2「Li, Naイオン電池負極材料の創製と機能性電解液の開発」最近の研究トピックス助教清⽔雅裕研究から広がる未来卒業後の未来像自然エネルギーの有効活用には、発電した電気を貯蔵する蓄電池の存在が重要です。リチウム二次電池はその高いエネルギー密度から電気自動車用電源などの大規模デバイスなどにも適用されていますが、これらの需要増大にともないLiの資源問題もその深刻さを増してきています。当研究室では、Na, K, Mg, Zn が正・負極間を移動する、Li に依存しない次世代蓄電デバイスの開発を行っています。これらのイオンを吸蔵-放出(充電-放電)する電極活物質の開発や、イオンを取り囲む溶媒分子を巧みに操り、電気化学反応をスムーズに進行させることに取り組んでいます。これらの研究を通して低炭素社会へ貢献します。自然エネルギーの有効活用にともない、大量の電気を貯蔵できる長寿命な蓄電池の開発が重要になってきます。希少金属を使用せず豊富に存在する資源を活用した次世代蓄電デバイスの創製は、エネルギーだけでなく資源問題への解決にも繋がるものと期待されます。材料の特性評価には様々な分析機器が必要となり、それらを扱った経験は、卒業後に大きなアドバンテージとなります。めっき技術や蓄電池開発を通して学問の習得だけでなく、機器分析のスキルを身につけ研究開発において活躍できる人材を育成します。2016年3月鳥取大学大学院工学研究科修了、博士(工学)取得。この間、同大GSC研究センター研究員(2013)、学術振興会特別研究員DC2(2014-2015)を兼任。専門は電気化学、溶液化学、材料化学。主に電気化学デバイスの創製に従事。低炭素社会実現に向けた次世代蓄電デバイスの開発【私の学問へのきっかけ】学部4年生のときに電気化学を扱う研究室に配属され、次世代リチウムイオン電池用の負極材料の開発に携わりました。化学反応は肉眼では到底見ることのできない極めて小さな世界で進行しており、虫眼鏡みたいなもので「分子やイオンの動きを見ることができたらな」といつも強く思います。さまざまな分析機器を駆使して現象解明を行うことができたときの喜びは今も忘れることはできません。現在も電気化学に基づきエレクトロニクス部品や蓄電池材料の開発などを行っています。物 質化学科上図:電解質中の分子やイオンを上手に操って、Zn空気電池負極の金属析出反応を制御する添加する分子Znの析出形態制御︓多価カチオンのインターカレーション反応への挑戦︓27

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