2022工学部研究紹介__日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード脂質⼆分⼦膜 ・ ⽣体模倣 ・ ⾃⼰組織化 ・ ⾼分⼦ ・ 微細加⼯ ・ 微粒⼦ ・ 膜分離 ・⽔処理•脂質膜を用いた新規材料開発•高分子を用いた表面改質・新規材料開発•水処理膜の高機能化(高透水性、耐ファウリング性etc)•微小空間での生化学反応の制御•マイクロ流体デバイスを用いた新規材料開発(液滴、粒子、カプセル、ファイバー)•分離膜の表面改質、新規分離膜の開発(民間企業との共同研究)•生体膜を模倣した超選択的イオン分離膜の創製(科研費基盤研究B)•マイクロ流路を用いた生体高分子からなるハイドロゲルファイバーの形成と形状制御(本多英五郎研究助成金)•循環的な水利用および食材の有効利用により「水」と「食」の持続的プラットフォーム構築に貢献する基盤研究(JSTCOI若手連携研究ファンド)•ハイドロゲルをコアとした新奇ジャイアントリポソームの形成と形態制御(科研費挑戦的研究(萌芽))•生体膜を模倣した超高透水性逆浸透膜の開発(科研費若手研究A、B)•バイオファウリング抑制のための逆浸透膜の表面設計(クリタ水・環境科学振興財団)•ナノ粒子の自己組織化を利用した粒子積層型無機限外ろ過膜の開発(先端膜工学研究推進機構)•マイクロ流路を用いた高次形状を有する中空糸膜の作製方法の開発(科研費研究活動スタート支援)•ベシクルを用いた超並列サスペンジョン型反応場の構築(科研費特別研究員奨励費)最近の研究トピックス酵素や生体模倣高分子を用いた表面改質。ラジカル重合や交互積層(LbL)法、化学架橋など、様々な手法により、材料、目的に合わせた表面改質を行う。有機物や微生物の付着を効果的に抑制したり、表面構造の制御、生体触媒機能を付与することができる。未処理表面改質表面蛍光顕微鏡(左図)や物質透過性評価装置(右図)、電子顕微鏡、原子間力顕微鏡、各種表面分析機器(表面電位、親疎水性など)を用いて、作製した材料(脂質膜や水処理膜など、下図)の評価を行う。助教佐伯 ⼤輔研究から広がる未来卒業後の未来像生体の基本単位である細胞は、その構造、機能がともに人工物には見られない特異な性質を有しています。細胞膜は脂質二分子膜からなり、細胞内外の環境を分け、恒常性を維持するとともに、優れた分子認識能による物質透過などを行っています。また、細胞内部では、DNAや酵素などの様々な生体分子が、高度な物質生産を行っています。さらに、細胞が集合体を形成し、より複雑な構造・機能を発現します。佐伯研究室では、奥村研究室とともに、生体材料と人工材料を融合させることにより生体構造・機能を模倣した、新たな機能性材料の創製や、プロセス設計について研究しています。細胞膜の構造である脂質二分子膜や、分子認識、反応を司るタンパク質やDNAのような生体高分子を用いた、生体模倣的手法による構造設計は、ナノ・サブナノレベルでの構造・機能を精密に制御できる点から、マイクロリアクターや分離材料、センサーなど、様々な応用が期待されています。研究活動を通じて、既存技術の問題点や研究・開発の目標を理解し、解決手段を考え、実際に実行できる、一連のスキルを修得し、様々な分野において技術者・研究者として活躍していけるような教育を心がけています。特に、化学工学や界面化学、高分子化学に力を入れています。筑波大学で博士(生物工学)を取得。2009年日本学術振興会特別研究員、2011年神戸大学特命助教を経て、2018年3月より現職。2019年化学工学会研究奨励賞、2020年クリタ水・環境科学研究優秀賞を受賞。専門分野は生物化学工学、界面化学。⽣体の構造・機能を模倣した機能性材料の創製【私の学問へのきっかけ】高校では「化学」と「生物」が好きで、生命の仕組みを利用したモノづくりがしたいと考えていました。大学で、細胞膜を人工的に再現した「リポソーム」の研究を行っている恩師に出会い、ミクロな世界における「生体模倣」というアプローチに興味を抱きました。それ以来、細胞における物質生産を模倣したマイクロリアクターや、細胞膜の機能・構造を模倣した分離膜など、生体に学んだ機能性材料に関する研究を行っています。物質化学科生体構造の模倣による、様々な材料開発。マイクロリアクターや人工細胞、医薬品、食品、分離膜、センサーなど、様々な分野への応用が期待されるカプセル内でのタンパク質合成生体膜中の分子を利用した、対象の物質を選択的に透過する分離膜マイクロ流体デバイスを用いたファイバー(左図)、液滴(下図)形成。天然高分子や合成高分子を用いることができ、粒子やカプセルにも応用できる26

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