2022工学部研究紹介__日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード乳化 ・ エマルション ・ 界⾯活性剤 ・ ナノ粒⼦ ・ ⾦属ナノコーティング ・ 蓄熱材 ・ 超⾳波化学•【化粧品・食品・医薬品・塗料など】乳化(エマルション)・分散・界面活性剤・乳化剤(界面活性、両親媒特性、自己組織化)•【エレクトロニクス・触媒など】金属ナノ粒子の合成と金属ナノコーティング•【機能性材料】乳化重合・懸濁重合によるポリマー粒子の合成•【エネルギー】熱エネルギー貯蔵材料(蓄熱材・蓄冷材)•【環境・リサイクル】水質浄化材料(吸着材、触媒など)およびシステム(廃液処理)•【プロセス】超音波技術(分散、洗浄、化学反応、霧化)•粒子表面上での金属ナノ粒子の自己形成・自己集積パターニング技術の開発(科研費:基盤研究C)•バブルを利用した金属中空微粒子の作製技術の開発(科研費:基盤研究C)•高純度金属ナノ粒子担持マイクロ粒子の製造技術の開発(JST:研究成果最適展開支援プログラムA-STEP)•ゲルボールエマルション蓄熱・輸送流体の空調システム実装に向けた研究(JST:研究成果展開事業A-STEP機能検証フェーズ)•乳化剤フリー油中水滴型(W/O)エマルションの分散安定化機構の解明と分散安定化技術の開発(コスメトロジー研究振興財団)•国際宇宙ステーションを利用したナノスケルトンの創製とその応用(東京理科大学、東北大学、資生堂、JAXAとの共同研究)最近の研究トピックス日本食糧新聞2016.3.23教授酒井俊郎研究から広がる未来卒業後の未来像地上の70%、体内の70%が水と言われていますが、均一な溶液はほとんど存在せず、その大半が分子集合体や液滴、固体粒子が分散したコロイド分散系です。すなわち、自然界や生体は、コロイド分散系から構成されていると言っても過言ではありません。コロイド分散系は、液体中に微小空間を形成していることになります。酒井研究室では、この液体中の微小空間(ミセル・液滴・気泡)を利用して、ナノメートル(nm)(10億分の1メートル)~マイクロメートル(m)(100万分の1メートル)サイズの材料創製に取り組んでいます。酒井研究室では、高純度コロイド材料の製造技術の開発に取り組んでいます。例えば、乳化剤を使用しない乳化技術や還元剤を使用しない金属ナノ粒子合成法の開発です。これらは、近年の環境問題やエネルギー問題などを解決し、次世代の材料創製技術になりえるものと期待しています。コロイド分散系は、自然界、生体における重要な構成要素です。そのため、コロイド分散系は、様々な産業分野(例えば、化粧品、医薬品、塗料、洗浄剤、食品、触媒、表面加工分野など)で活用されています。株式会社コンポン研究所・ニューヨーク州立大学・東京理科大学・信州大学ファイバーナノテク国際若手研究者育成拠点助教・信州大学工学部准教授を経て、2019年より現職。研究分野はコロイド・界面化学。コロイド・界⾯科学〜⼩さな粒⼦と界⾯が⽣み出す不思議な世界〜【私の学問へのきっかけ】コロイド・界面化学との出会いは、大学4年次の卒業研究になります。当時、卒業研究テーマの意味や意義は全く分かりませんでしたが、その研究を現在も続けています。その理由は、「自然界には多くの不思議があり、その不思議を理解したい。分からないことを知りたい、明らかにしたい。」という極めて単純な理由です。卒業研究(コロイド・界面化学)との出会いにより、現在の自分があると感謝しています。物質化学科油と水の混合(乳化)、微粒子の粉砕・分散、化学反応などによりコロイド粒子を作製し、観察・評価してる水中に油滴が分散しているエマルションの光学顕微鏡像エマルションは、化粧品、食品、医薬品分野などで利用されているO/W11

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