2022工学部研究紹介__日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード⽊造建築・伝統構法・在来構法・耐震性能・耐震補強•伝統木造建築の地震防災民家・社寺の現地調査、実験、解析•木造住宅の耐震性能向上耐震補強方法の開発、地震被害調査•建物の歴史的変遷と構造性能構造的な視点と手法による歴史へのアプローチ•伝統的木造住宅における垂壁付き独立柱の静的挙動に関する研究(トステム建材産業振興財団 研究助成)•重要文化財旧松本高等学校校舎及び講堂耐震基礎診断試験(受託研究)•長野市戸隠地区の伝統的建造物の耐震性に関する調査(受託研究)•古材の強度調査(受託研究)•木造建物の完全倒壊防止または倒壊時間を延伸する新耐震補強工法の開発(民間企業との共同研究)•合板を積層した構造材の実用化研究(民間企業との共同研究)•大壁造り土壁の耐力・剛性評価(科研費 基盤研究(C))最近の研究トピックス漆喰壁の耐震実験茅葺屋根の振動台実験実際の建物を対象とした現地実験助教松⽥昌洋研究から広がる未来卒業後の未来像日本には多くの木造建築があります。一口に木造建築といっても、民家や社寺のような昔ながらの建物から、現在たてられている一般的な木造住宅、学校などの規模の大きな建物まで実に様々です。この中でも特に日本の文化を受け継ぐ方法で建てられた伝統木造建築の耐震性能に関する研究に取り組んでいます。伝統木造建築は地震に弱い? でも残っている建物もたくさんあります。伝統木造建築は地震に強い? でも倒れてしまった建物もたくさんあります。本当のところはどうなのでしょう?研究には、こうした疑問を工学的な手法を用いて解き明かしていく面白さがあります。民家、社寺など日本の文化を受け継ぐ木造建築は今もなお生き続けています。美しい伝統建築を保存・活用し、そして今後も建てていくにはどうしたらよいかというテーマは、今の時代だからこそ夢があり、未来につながるものです。木造建築、構造の基本的な考え方を理解しながら研究を進めていくことで、木造建築を中心とした構造設計、伝統木造建築の耐震診断・耐震補強設計といった分野での活躍が期待されます。東京大学国際都市再生研究センター特任研究員、東洋大学木と建築で創造する共生社会研究センター研究助手を経て2011年より現職。木構造、主に民家などの伝統木造建築物の耐震性能に関する研究に従事。伝統⽊造建築が地震に耐える仕組みを⼯学的な視点で考える【私の学問へのきっかけ】小さな頃から木工が好きだったこともあり、大学で木造建築の伝統的な木組みについて学んで以来、昔の技術に関心を持つようになりました。その後、木造建築を専門とする研究室を希望し、伝統的な技術でつくられた構造物の実験や調査に携わる中で、研究がだんだんと面白くなっていきました。建築学科茅葺屋根の民家に地震計を設置し、地震時に建物がどのように揺れるかを計測白川郷の合掌造り民家独特のつくり方である板壁と柱・梁からなるフレームの耐震実験120

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