2022工学部研究紹介__日本語版
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【私の学問へのきっかけ】幼い頃から知らない都市へ旅行することが大好きでした。大学生になり自分の行ったことのある都市や建物が講義で取り上げられ、それらのデザインや設計意図を深く知るにつれて、のめり込んでいきました。研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード都市空間 ・ 地域資源 ・ デザイン ・ リノベーション ・ まちづくり■長野市善光寺門前界隈の空き地の有効活用を目的とした、実践型プロジェクト「まち畑プロジェクト」■軽井沢の設計事務所「TONO MIRAI ARCHITECTS」と協働の信州土プロジェクト■アルゼンチンのスラム地区を対象にしたデザインビルドによる環境改善プロジェクト■スペイン地方都市を対象とした地域資源の再利用手法■地中海沿岸都市の灌漑水路と都市構造に関係についての研究■株式会社シーンデザイン建築設計事務所との「まち畑プロジェクト」■龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター学外研究員■欧州中都市における都市農業の戦略的意味に関する研究(科研費基盤C)■南欧諸都市市民ガーデンの包括・系統的研究および日本諸都市への普及にむけて(科研費若手)■近代化にともなう灌漑水路と都市拡張の関係についての地中海都市比較研究(科研費新学術領域)最近の研究トピックス2019年春にブエノス・アイレス(アルゼンチン)のサンマルティン国立大学で招待講演を開催。同大学教員らとスラム地区での市民ガーデンプロジェクトを共同研究として目下計画中。助教佐倉弘祐研究から広がる未来卒業後の未来像日本に限らずに世界中で、経済成長を前提とした資本主義的な都市構造の仕組みが揺らぎ始めています。結果的に、再び「人間」を中心とした都市への復興が、様々な都市で再考され始めています。経済成長下で蔑ろにされてきたヒト・モノ・コトを貴重な地域資源とみなして、現代社会・都市構造に応じたカタチで応用していく姿勢が重要だと考えます。マクロな理論研究の基盤を欧州(特にスペイン地方都市)に置き、ミクロな実践プロジェクトの基盤を長野市に置いています。その両輪を機能させて研究や設計を行うスタイルが私の研究室の特質だと思います。理論研究に留まらず、実際に課題を抱える地域で、課題解決に繋がるような建築物や工作物を地域住民と一緒に創っていくことを重視しています。その活動に地域住民が刺激され、各々が主体的にまちづくりに関わるようになり、地域が活性化されていく。そんなことが至る所で起る未来を想像しながら、実践しています。地方創生が謳われる昨今、従来通り大企業に就職することが理想とは限りません。重要なことは、どのような状況下に陥っても豊かな生活を維持できるスキルを身につけることです。グローカルな研究・実践を通じ、そのようなスキルの習得を期待しています。2015年に千葉大学大学院工学研究科建築・都市科学専攻修了、博士(工学)取得。龍谷大学地域公共人材・政策開発リサーチセンター博士研究員を経て、2016年6月から現職。一級建築士。研究と実践の両輪で地域資源を活かした都市空間デザインを構想する建築学科長野市内で展開する空き地の有効活用を目的とした実践型プロジェクト「まち畑プロジェクト」の作業風景まち畑プロジェクト第3弾「ヤギのいる庭」の設計提案が全国設計競技「SDレビュー2018年」で入賞!118

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