2022工学部研究紹介__日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード知的計測・⾼精度計測・⾮線形信号処理・⾮破壊検査・異常診断•マイクロ波レーダによる構造物の非破壊診断•非線形信号処理技術を応用した異常診断の高度化•(回転機器の異常診断、壁面剥離・ひび割れ診断、物体表面性情診断など)•無線センサネットワークシステムにおけるノード位置計測技術とその応用•マイクロ波・超音波など波動を利用した非破壊探査技術•光波・電波・超音波など波動利用した高精度測距・測位技術•光波・超音波など波動を利用した物理量分布計測技術•センサネットワークにおける動的位置推定の高精度化と高度利用に関する研究(科学研究費補助金)•反射波と透過波の複合受信による地雷探査レーダ開発(GPRによる高分解能地雷探査(形状・材質識別)システム)(科学技術推進機構・人道的対人地雷探知・除去技術研究開発推進事業)•自動車の絶対車速計測のための信号処理技術(民間企業との共同研究)•回転機器からの発生音を利用した劣化診断技術(民間企業との共同研究)•打音法による外壁劣化診断技術(民間企業との共同研究)•マイクロ波を利用した鉄筋コンクリート構造物中の埋設物探査(民間企業との共同研究)•超音波を利用した空間温度分布計測に関する研究(民間企業との共同研究)•地中埋設管路の位置・形状の高精度推定技術の構築(民間企業との共同研究)最近の研究トピックス社会の安全・安心を念頭に置いた、非破壊かつ非接触の診断技術に関する研究に力を入れています。具体的には、マイクロ波レーダシステムによるコンクリート構造物内部の高精度探査技術や、壁面の剥離やひび割れ状態の定量診断技術、あるいはアーム型計測器による地中埋設管路の推定技術などです。准教授⾼⼭潤也研究から広がる未来卒業後の未来像「計測を制する者は、技術を制する」という言葉もあるほど、簡潔で高性能なシステムの実現には、計測技術が不可欠と言われます。高山研究室では、マイクロ波を使ってコンクリート壁の健全性を診断する技術など、音や光・電波といった波動が反射や伝播してきた様子を分析することにより、非破壊・非接触にものの状態を計測する技術の研究に取り組んでいます。さらに、いつも同じ計測範囲や計測精度ではなく、計測システム自身が目的に応じてその性能を適応的に変化させられる能力を備えた「知的計測システム」へと、これらの技術を発展させることを目指しています。計測技術の高度化は、どんな世界をもたらすのでしょうか?その答えは、すべてが自動化された世界だと考えています。たとえば、近い将来では自動運転が可能な(本当の)自動車、さらに人間と共存・協調できる完全自律型ロボットなど、未来のものと思っていた多くの技術が現実となります。計測技術は、検査や診断ばかりではなくロボットの外界認識や運動制御など、さまざまな技術の実現に欠かせません。ですから、卒業研究を通して身に付けた知識と問題解決能力が、機械系のみならずメカトロニクスの幅広い分野での研究・製品開発に活かされます。日産自動車(株)、東京工業大学大学院理工学研究科助手・助教を経て、2012年より現職。知的計測システムの構築とそれに係わる高精度計測技術や非線形信号処理理論の研究に従事。近年は,安全・安心のための診断技術の研究に力を入れる。⾃ら考える計測システム︓波動を使って触らず測る知的計測技術の実現【私の学問へのきっかけ】幼少の頃から乗り物、特に自動車が大好きでした。大学進学時までそれは変わらず、さらに世界一の大衆車を作るという夢を持つようにもなってたので、機械系しかない!と思い、周囲の意見には耳も貸さず進学先を決めました。大学でさまざまな専門科目を学ぶうち、自動車の事故回避や自動運転には高度な計測技術が不可欠であることを理解し、一旦は自動車会社へ就職したものの、計測技術を極めたいとの目標のもと研究職へ身を転じました。機械システム⼯学科マイクロ波レーダ装置とレーダ画像(内部断面画像)の例。計測精度をさらに高め、誰もが簡単に構造物の内部情報を詳細に把握できる技術とすることが目標である無線センサネットワークのための端末位置計測実験の様子。センサ端末間の無線通信情報のみを利用して、端末の位置推定を実現する技術の構築を試みている99

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