経法学部研究紹介_2020_2021_プレス品質
23/30

22総合法律学科新しいライフスタイルを創造する生活文化産業としてのレジャー産業について考える いま日本は人生80年時代、生涯生活時間に換算して70万時間、うち生涯労働時間は7万時間の1割、かわって生涯自由時間は21万時間の人生の3割の時代を迎えようとしています。人々はワーク人生の充実に加えて、レジャー人生も充実したいと望んでいます。しかし、実際には人生の3割にも増えようとしているこの自由時間を人間らしく充実して生きている人は非常に少ないです。なぜなら、自由時間の増大が自己開発のレジャー人生に直接結びついていないからです。この自由時間を自己開発型のレジャー活動にいかに結びつけるかがレジャー産業の課題になっています。「時間とは」、「レジャーとは」という命題を明らかにしながら、これからのレジャー産業のあり方について探求しています。 いま人間と社会のあり方が変わろうとしています。「旧いものから新しいものへ」、「消費者から生活者へ」、「モノの豊かさから心の豊かさへ」、「産業社会から脱産業社会へ」、「国家主義、全体主義、画一主義から社会道徳、個人の自立・自助、生活の豊かさへ」と。個人の力が社会の力を超えようとしている現在、レジャー産業は一人一人の認識を変え、新しい価値観・ライフスタイルを創造する生活文化産業として再生を図るべきだと考えます。 ゼミは、フィールドワークをたくさん行い、その計画立案から発表、実施に至るまでゼミ生がすべて行うため、問題発見、問題解決能力、プレゼンテーション能力が身に付きます。今流行りのアクティブラーニングそのものの授業展開をしています。社会に出てからは、このゼミで培った能力を活かし、公務員から一般企業まで様々な職種に富んだ就職をしています。やんちゃでもいい、活力溢れる学生となることを期待しています。・新しいライフスタイルを創造する生活文化産業としてのレジャー産業のあり方に関する研究・スポーツの需要構造と供給構造に関する研究・スキーの指導法に関する研究・スノ-ボードの指導法に関する研究・スクーバダイビングの指導法に関する研究左上:ゼミ佐渡島合宿左下:ゼミマラソン大会右上:ゼミ佐渡島合宿(狩猟成果)右下:ゼミスノーボード合宿古屋 顕一 教授筑波大学体育専門学群卒業、同大学大学院体育研究科修了、体育学修士(野外教育専攻)。筑波大学体育センター技官。信州大学教養部講師、同助教授、同経済学部助教授を経て、教授(現職)。研究の未来と卒業後の将来像主な研究事例22総合法律学科捜査機関が適正に捜査する仕組みを創出 捜査機関が実施する捜査を規律するルール(法)を研究しています。刑事訴訟法という分野になります。 刑事訴訟法という分野のなかでも、特に、おとり捜査など、対象者に気づかれない状態で行う秘匿捜査を規律する仕組みを開発しています。私の研究の特色は、いかに違法な捜査を抑制するかではなく、いかに適法な捜査を担保するかという視点で、仕組みを構築する点にあります。この視点は、例えば学生が本を読む時間をどう確保するかなど、社会のあらゆる仕組みづくりに役立つものと考えています。 現在では、捜査機関におけるデータの取扱いから転じて、情報リテラシー教育なども関心をもって研究をしています。 私の研究は、企業や行政の危機管理にも応用が可能なので、これらの組織の研修にも活用されています。 また違法を抑止するのではなく、適法を担保するという視点は、たとえば医療訴訟をおそれて医療の現場が委縮してしまう現象に対しても、応用可能です。医療の現場からは、医療過誤をどう抑制するか、というよりも安全な医療をどう確保するかを考えることが求められているのです。 教育では、長野県警や長野地検の協力を得て、勾留請求をしたり、実況見分調書を作成したりする実習も行っています。実際にやってみることで、身につくことがたくさんあるばかりでなく、今の勉強が社会でどのように生かされているかを知る機会になり、今やるべきことをわかるようになります。その結果、受講した学生たちは、県警や検察庁だけでなく、広く公官庁にも就職しています。法曹を目指す学生にも有益なものとなります。丸橋 昌太郎 教授社会基盤研究所長東京都立大学院(修士(法学))後、信州大学経済学部准教授を経て現職。研究の未来と卒業後の将来像・違法な「なりすまし捜査」(おとり捜査)であるとして証拠排除して無罪とした事例・医療観察法による指定入院医療機関の管理者からの退院許可の申立てについて、 違法があるとされた事例・起訴議決により東京電力の幹部らが起訴されて、予見可能性がないとして無罪とされた事例・軽井沢町における個人情報保護条例改正の取組みについて:個人情報保護法制2000個問題への対応の実践例県警の協力を得て、指紋採取の実習主な研究事例

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る