人文学部研究紹介2021-2022
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登内志保2013年卒業 全日本空輸株式会社 客室乗務員丸山沙織2012年卒業2014年修士課程修了飯田風越高校 国語科教諭進路データを書き換えるくらいの挑戦心があれば結果は変わってくると思います。疑問を持ち、言葉にして答えに向かっていく姿勢は、生きていく上で必要なものであると言えると思います。私の夢は高校入試から明確でした。長野県生まれ、長野県育ち、電車やバスが主流なこの県で青空を横切って行く飛行機は私の憧れでした。壮大な夢を前にした時、信州大学からは前例がほとんどないし不利なのではないか、と大学のせいにして夢をあきらめる心の準備をしていないでしょうか。私もその一人だったので気持ちがよく分かります。しかし、人文学部の英語学ゼミナールに入り私は逃げる準備をやめました。努力したぶん必ず結果が出ることを体感し、何か人と違うおもしろいアイディアを出してやろうという野心にあふれた仲間に出会い、その野心家をおもしろい“いい学生”として後押ししてくださる先生がいたからです。大学の先に見据えるのが就職ですね。この大学に入ったら、この学部に入ったら、こういう職業についている人が何人いますというデータを見るのもいいかもしれませんが、そのデータに自分の求める職業があったならそれは本当に幸運です。例え無くても、そのデータを書き換える挑戦心・自分の覚悟が決まれば結果は変わってくるかもしれません。私の場合、就職活動と学業の両立は大変でしたが夢への挑戦を認めてくれた環境にとても感謝しています。皆さん、ぜひ壮大な夢を持って信州大学人文学部に来てください。私は大学・大学院ともに日本語学を専攻していました。修了した現在は、国語の教諭として高校に勤めています。私が主として扱っていたのは、現代語の文法でした。普段何気なく使用している言語であるからこそ、客観的に見て説明のつかないことや、自明とされていても実は根拠が明確でないことなどが、多数あります。まずはこれに疑問を持つことが必要となります。そこから検証を積み重ねていくことで、疑問はより明確な輪郭を持った研究のテーマとして自分の進む方向となっていきました。研究以外の場面であっても、疑問を持ち、そしてそれを言葉にして答えに向かっていく姿勢は、これから生きていくにあたって必要なものであると言えます。私は現在、教師としても、この「疑問を持つこと」を大切にしています。自分の疑問だけではなく、生徒からも疑問を引き出し、そしてその疑問の答えをともに考えたり、時にはヒントを与えたりしながら、自明のことを自明とせず、自身で抱いた疑問を自身で解決へと導けるよう出来る限り努めています。高校生の内にしか考えつかないことや疑問は多いはずです。それを大事に、学び、そしてより深めていってほしいと思います。59

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