研究紹介(2021-2022)0610
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12分子生命工学研究室荻田佑助教国立研究開発法人農研機構食品総合研究所を経て、2016年2月から現職。研究分野は食品機能学。腸内細菌叢の変化が健康維持・増進に関わる重要なファクターとして考えられており、食品の生体調節機能の新たなターゲットとして腸内細菌への作用に注目が集まっています。そこで私たちは、健康維持・増進に寄与する食品を見出すことを目的に、食品摂取による腸内細菌叢の変動が、宿主の生体調節機能に及ぼす影響を調べ、そのメカニズムを解明する研究を行っています。食品による腸内細菌を介した、新たな健康維持・増進メカニズムを解明し、腸内細菌への作用をターゲットとした新たな食品を見出すことで、我が国の健康寿命の延伸に貢献できると考えています。食品の生体調節機能を評価するヒト・動物培養細胞を用いた実験や動物実験の手法を身につけることができます。また、腸内細菌叢の解析手法等が学べます。食品会社等で活躍できる人材の育成を目指します。腸内細菌叢に着目した食品の生体調節機能の評価ABCDABC研究から広がる未来卒業後の未来像実験動物や培養細胞を用いて、食品の生体調節機能の評価やメカニズムの解明を行う低酸素培養システムでの細胞培養(左)DGGE法による腸内細菌叢の解析例(右)動物資源生命科学コース生物資源研究室動物資源生命科学コース研究から広がる未来卒業後の未来像上野豊准教授酪農専門農協勤務を経て、2012年2月~信州大学農学部助教、2018年10月から現職。専門分野:動物栄養学、応用微生物学もうひとこと:「考えもつかないことは誰も教えてくれない」それぞれの動物にとって最高のレシピを探そう従属栄養生物である動物が生きていくにはまず食べなければなりません。動物ごとに、生きる目的や、食べたものを自分の体に取り込む仕組みは異なり、必要な栄養やエネルギーも動物によって変わってきます。では、それぞれの動物にとって最も価値のある「食」とはいったいどのようなものでしょうか?わたしたちの研究のゴールはこの問いの答えを出すことです。実験台上で遺伝子や微生物と向き合うこともあれば、別の時間には、野外に出て牛などの動物と接することもあり、健康をはぐくむ豊かな食の実現と、家畜がその能力を発揮できる効果的な飼養法の開発に向けた研究に取り組んでいます。動物の栄養を考えるうえで、体の中にいる微生物の存在と役割について理解することが欠かせません。体内の微生物とうまく付き合っていくために動物は何を食べればよいか?そして何をしたらいいか?そんな調節方法が見つかれば、より健康で有意義な日々を送ることが可能になるかもしれません。公務員、民間企業(食品、畜産)への就職が主です。どのような道を進むにしても、毎日の食事に関心を持ち、資源(めぐみ)と生命(いのち)への感謝を忘れないでいてほしいと思います。農産物加工残渣の飼料化成分を生かして、捨てるものを資源に変える反芻胃微生物の機能解明と生産への応用彼らは何処からやってきて何処に向かうのか?動物資源生命科学コースダイバーシティはエサで変わる微生物にも朝型と夜型がある

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