緊急学生経済支援」にいします。る個人・法人のみなさまへ令和2年9月吉日信州大学長 濱田 州博信州大学広報誌「信大NOW」をご覧いただく皆様には、日頃よりご支援、ご協力を賜り、心よりお礼申し上げます。さて、今回の号では、新型コロナウイルス感染症に関する信州大学の対応等をご報告申し上げます。COVID-19と命名されたこの感染症は、世界中に拡散し、日本でも緊急事態宣言等、様々な対策がとられてきました。信州大学でも、新型コロナウイルス感染症対策本部を設置し、政府や長野県の方針を考慮しながら対応策を講じてきました。3月21日~24日に卒業生・修了生全員を地区毎に一堂に集めて行う予定だった卒業式は、学生の代表者と、ごく少数の教職員のみが出席し、卒業証書・学位記を手渡す簡易な式に切り替えました。告示につきましては、信州大学Webページに動画と文章を掲載し、発信しました。もちろん最も感染リスクが高いとされる会食を伴う謝恩会は早い段階で中止としました。4月4日に松本市総合体育館で行う予定だった入学式は中止し、令和2年度信州大学入学者等に対する学長メッセージを文章にてWebページで発信しました。前期の授業については、開始を遅らせた後、Web講義形式で開始しました。緊急事態宣言が解除された6月からようやく3密を避けた形で実験や実習等を始めております。後期の授業に関しても大人数の授業はWeb講義にし、一部3密にならない少人数の授業のみ対面とする予定です。ただ、松本キャンパスの場合には、全学の1年生、人文学部、経法学部、医学部、理学部の2年生以上の学生が総勢で5,000名以上おり、学生食堂一つとっても密にならない工夫が必要です。対面授業を行う曜日をそれぞれの学部で仕分けるなど十分に検討したいと考えております。一方、コロナ禍は、学生の経済状況に大きな影響を及ぼしています。学生からは、「アルバイト収入がないのが不安でしかない」、「バイトの収入が減った人たちだけでなく、バイトがそもそもできない人たちのことについても何かしら考えてほしい」など多くの声が上がっています。本年度から開始された高等教育の修学支援新制度(所謂高等教育の無償化と言われている制度)では、世帯の所得金額に応じて授業料の全額免除、3分の2免除、3分の1免除が行われていますが、この制度ではこれまで免除を受けられていたもう少し所得金額が多い家庭が受けられなくなりました。そのため、信州大学では、独自予算による授業料免除も行っています。今回のコロナ禍による家計の急変に対しても授業料免除で対応しています。また、国の学生に対する給付支援としては、特別定額給付金(10万円)の他、アルバイト収入の大幅な減少により修学の継続が困難な学生に対して「学びの継続」のための『学生支援緊急給付金』(10または20万円)が行われたところです。これでも十分でない学生のために、信州大学独自の支援策として知の森基金内の「経済支援型奨学基金」を活用した「新型コロナウイルス緊急学生経済支援」(3万円×延べ1,000名)を行います。知の森基金では、すでに450件以上のご寄付をいただいており、ご寄付いただいた皆様からは、「母校の学生が勉学に励むことができるよう、経済的な支援の一助となれば幸いです」、「全ての学生のかたが、学ぶ機会を保障されますことを願っています」など心温まるお言葉を頂戴しております。感謝の念に堪えません。同窓会の皆様には、学生がよい学びの時を持てるように『知の森基金へのご寄付』をよろしくお願い申し上げます。
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