NOW123_web
12/20

10~15分で発汗量の増加が鈍くなるという共通のパターンがみられました。発汗量の増加が鈍くなった後の変化はいずれも、汗をかいたことによって血液が濃くなったことを示しており、運動する前に水分を取ると、発汗量の増加が鈍くなるまでの時間は長くなりました。本システムは、この発汗量の増加が鈍くなるポイントを捉え、スマートフォンで警報を出す仕組みです。この発汗計は2020年7月20日から価格約30万円で研究用にのみ販売しています。スキノス(長野県上田市)は、信州大学医学部メディカル・ヘルスイノベーション講座の大橋俊夫特任教授との共同開発により製造した発汗計を使い、汗の量の変化で血液の濃縮度を見積り、スマートフォンで知らせる新たなシステムを開発しました。高齢者や乳幼児は温度に対する感覚が鈍かったり、体温調節機能が未発達であったりと夏場は熱中症になりやすく、周囲が注意を払う必要があります。本システムを用いれば、発汗計測のみで熱中症の予防ができる可能性が考えられます。発汗量の測定に用いる発汗計は、カプセルと呼ばれるセンサー部分を首や胸に貼り、単位面積当たりの発汗量を測る装置です。実験では、20代~30代前半の健康な人に運動してもらい、発汗量を連続して測ったところ、運動開始後発汗量の変化をスマートフォンで知らせるシステムを開発~熱中症予防への応用も検討~(文・柳澤愛由)信大発ベンチャー第3回認定にかかる称号記授与2020年7月7日、第3回となる「信州大学発ベンチャー」称号記授与式を執り行い、以下の3法人を新たに信州大学発ベンチャーとして認定いたしました。AKEBONO株式会社 代表取締役 井上 格 氏工学部が栽培普及を進めているアレルゲンフリーの穀物「信州産ソルガム」の生産、加工、販売を手掛ける。アレルギーを持つ人の新たな選択肢の提供と地域活性化を目指す。株式会社A-SEEDS 代表取締役 眞鍋 幸子 氏医学部で開発した新規次世代CAR-T療法の事業化を目的に設立。医学部オリジナルのCAR-T細胞GMR-CARを使った遺伝子治療の実用化を進めている。SSST株式会社 代表取締役 倉沢 進太郎 氏繊維学部で研究されている光ファイバセンサを用いた生体計測技術の実用化を目的に設立。血液サンプルを必要としない新たな装着型バイタルサイン計測システムの開発を行っている。信州大学では、研究シーズを活かした事業を行っている企業に対して円滑で適正な支援を行うため、「信州大学発ベンチャー」の認定を行っています。ここでは信州大学発ベンチャーをめぐる最近の話題をご紹介します。アシストモーションベンチャーキャピタルから出資AssistMotion社は、2020年7月30日、(株)ケイエスピーと(株)ラックよりJ-KISS型新株予約権による出資を受けました。それぞれ、KSP6号投資ファンドと、新規事業開発部によるCVCからの出資となり、出資額は各社3,000万円です。AssistMotion社としてはシード期の資金調達となります。現在歩行アシストロボットcurara®の有償モニター貸出「コロナに負けるな! キャンペーン(http://assistmotion.jp/apply-for-curarawrp/)」を実施しており、本出資を受けてcurara®の商品化を目指します。また、シリーズAの資金調達をさらに計画しています。AssistMotion㈱㈱スキノス11信州大学発ベンチャーをめぐる話題。2020.7.92020.8.62020.7.30称号記授与式の様子

元のページ  ../index.html#12

このブックを見る