理学部学部案内2020
11/40

Department of Mathematics代数学分野花木 章秀 HANAKI AKIHIDE沼田 泰英 NUMATA YASUHIDE和田 堅太郎 WADA KENTARO2次方程式の解の公式は高校で学びますが、実は、3次と4次の方程式にも解の公式があります。しかし5次以上の方程式には解の公式が存在しないことが知られています。一般に何かが存在することを証明するには、それを作ってみせれば済みますが、存在しないことを証明するのは難しいことです。5次以上の方程式に解の公式がないということを証明するには「群」という数学的な対象を考える必要があります。「代数学」ではこの「群」や「環」、「体」などと呼ばれるものなどについて学びます。この分野では、おもに群や環を研究していますが、コンピュータを用いた代数学や、組合せ論の研究も行っています。解析学分野谷内 靖 TANIUCHI YASUSHIトルシン イゴール TRUSHIN IGOR解析学の基礎は何と言っても微分積分です。大学では、それをもっと詳しく勉強し、微分方程式、複素数の関数の微分積分なども学びます。月や惑星の動きを調べるために、ニュートンやライプニッツにより、17世紀に微分積分学は発見されました。それ以来、18世紀には熱の伝導の研究、最近では画像圧縮の研究など、解析学は常に社会的な要請に基づいて発展してきました。こういった解析学の理論は、それ自身興味深いばかりか、応用する時には大きなパワーを発揮します。現在、解析学は、自然科学・工学・経済学など、大きな応用分野を持っています。この分野のスタッフの関心は、理論・応用両面にわたっており、みなさんの期待にこたえられると思います。幾何学分野栗林 勝彦 KURIBAYASHI KATSUHIKO玉木 大 TAMAKI DAI境 圭一 SAKAI KEIICHI窪田 陽介 KUBOTA YOSUKE数学という学問の中で、図形の性質を調べるのが幾何学という分野です。「図形」といってまず思い浮かぶのは三角形や円でしょうが、2つの三角形が「同じ」(合同)かどうかは辺の長さと角度を調べれば分かりました。一般に、2つの図形が「同じ」かどうかを調べるのが現代の幾何学です。複雑な図形は、三角形のように単純なデータで分類することは到底不可能で、その方法や分類の基準も様々です。例えば、トポロジーという分野の基準で分類すると、三角形と円が「同じ」になったり、ドーナツとコーヒーカップが「同じ」になるという、一見すると不思議なことがおこります。この分野では、様々な図形を代数学や解析学の道具も駆使して研究しています。自然情報学分野中山 一昭 NAKAYAMA KAZUAKI乙部 厳己 OTOBE YOSHIKI謝 賓 XIE BIN佐々木 格 SASAKI ITARU中世以降の数学の劇的な発展は物理学と一体のものでした。20世紀前半の細分化の時代を経てもなお、数学は他の諸科学とお互いに関連しながら発展を続けています。この分野では、そのような自然科学の中での数学という考え方を重視しながら研究を行っています。特に時間とともに複雑に変化する現象の解析を目指していますが、そのためにコンピュータによる数値解析を援用することもありますし、数理モデルと呼ばれる手法を用いて現実の現象を分析することもあります。Information of Shinshu University Faculty of Science10

元のページ  ../index.html#11

このブックを見る