信大医学部医学科研究紹介2020(日本語版)
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36将来の眼の治療薬? 「アドレノメデュリン」アドレノメデュリンと呼ばれる血管を拡張させる体内物質があります。最近になりアドレノメデュリンが網膜の病気をよくする可能性がでてきました。私たちはアドレノメデュリンやその作用に必要なRAMPという物質が眼にどのような影響を与えているのか着目しています。ノックアウトマウスと呼ばれるアドレノメデュリンやRAMPが先天的に少ないマウスを用いて、人工的に網膜に血管閉塞や新生血管をレーザー装置を用いて作りその物質で良くなるか、悪くなるかを研究しています。・アドレノメデュリンやRAMPのマウス網膜への影響の研究・眼の血管閉塞や新生血管をレーザーを用いて人工的に起こしたマウスの網膜の研究・糖尿病を持っているマウスの網膜の研究高齢化社会が進むにつれて糖尿病や網膜の血管閉塞症など目の病気が増えることが予想されます。これらの病気にはすでに様々な治療がありますが、もしかすると将来的にこのアドレノメデュリンが治療の1つの選択肢になるかもしれません。卒業後は引き続き当院眼科医局で勤務しながら研究したり、臨床に専念したりします。中には取得した学位を盾に市中病院へ勤務される先生や開業される先生もいます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像眼科学(教授 村田敏規)   とある実験をしたRAMPノックアウトマウスの網膜の展開標本   血管が緑に映っている 細かい血管がとても神秘的だ新生血管を特殊な液でそめて大きくしたものアドレノメデュリンが働くか働かないかで大きさが変化する…レーザー装置自由&手術&神経泌尿器科学本教室は50年以上の長い歴史をもっております。泌尿器科が担当する領域は、非常に幅広く、下記を取り扱っています。 泌尿器科一般、泌尿器悪性腫瘍治療、腹腔鏡手術、ロボット支援手術、排尿障害、腎移植、感染症、性機能障害、男性不妊など設立以来の当教室の基本の三原則は、自由、手術、神経泌尿器科学です。・神経泌尿器科学・尿路再生医療の研究  設立以来、神経泌尿器科研究のメッカです。再生医療を臨床で行っています。(脂肪幹細胞を利用した尿道括約筋再生)・低侵襲手術の改良・推進の研究  長野県下で最初にロボット支援手術を開始しました。・先進的移植医療の推進  長野県の移植医療の中心的存在です。移植医療センターもあり、移植医療全般の推進をサポートしています。・最先端の神経泌尿器科学、再生医療研究を行い、臨床応用します。・最先端手術支援装置を使用した手術を実施します。・難度の高い移植医療を行います。・一流の臨床家、研究者として活躍できます。・海外留学への道も開けています。(過去の留学実績:スウェーデン・ルンド大学、米国・ピッツバーグ大学、ベルギー・アントワープ大学、カナダ・マギル大学)主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像泌尿器科学(教授 石塚 修)2012年 ロボット支援手術、県下第一例目を実施しました若手が多く、互いに自由に意見を述べることのできる活気ある教室です

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