信大医学部医学科研究紹介2020(日本語版)
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30希少がんに苦しむ人たちの未来のために~新規治療薬・治療体系開発への挑戦~腫瘍 班腫瘍 班(チーフ:助教(特定雇用) 岡本正則)(チーフ:助教(特定雇用) 岡本正則)運動機能学整形外科(骨・軟部)領域のがんは、発生頻度が低く症例数が少ないため“希少がん”と呼ばれています。そのためまだまだ診断法・治療法の開発は遅れており、不幸な結果となってしまう患者さんが数多く存在します。信州大学腫瘍グループでは、悪性骨腫瘍に対する新規治療薬の開発や抗がん剤を腫瘍に効率的に届ける方法の開発、悪性軟部腫瘍の新規診断基準の開発などの研究をしています。臨床分野においては、骨転移による病的骨折予防のためのCT画像を用いた骨形態評価や悪性軟部腫瘍患者の下肢筋力と術後機能予測などの研究をしています。・悪性骨腫瘍に対する新規薬剤の開発・悪性軟部腫瘍における糖鎖遺伝子発現解析と組織学的悪性度診断基準の確立・溶骨性変化を伴う大腿骨病的骨折患者のCT画像を用いた骨形態評価・悪性軟部腫瘍患者の下肢筋力と術後機能予測整形外科領域のがんにおける研究は、その他の領域のがんと比較して遅れており、研究テーマは豊富です。新たな治療薬の開発や治療体系を確立することで、今もなお、がんで苦しむ患者さんの“未来を創る”手助けができます。整形外科領域のがんを専門とした医師は少ないため、当教室で学ぶことで研究分野・臨床分野のどちらであってもエキスパートになれます。日本国内に留まらず世界で活躍できる医師・研究者を目指せます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像新規治療薬の開発のために日々研究している大学院生CT画像を用いて骨形態解析を行い、骨折リスクを予測ハンドヘルドダイナモメーター等速性筋力測定装置 を用いた筋力測定脊椎疾患・脊柱変形についての新しい知見・治療を世界に問う脊椎 班脊椎 班(チーフ:診療助教 大場悠己)(チーフ:診療助教 大場悠己)運動機能学1996年に国内でもいち早く脊椎手術にナビゲーションシステムを導入しました。さらに、2018年に当学部附属病院包括先進医療棟にハイブリッドナビゲーション手術室を導入しました。また、信州大学繊維学部小関道彦教授との共同で脊柱側弯症に対する基礎実験、3Dプリンターを使用した脊椎内視鏡手術支援の研究などを行っています。脊柱側弯症に対する新しい低侵襲な術式の開発、新しい固定範囲の指標となるS-line(Shinshu-line)の研究を行っています。さらに、山梨大学、浜松医科大学と共同で腰椎椎体間固定術の臨床研究、リハビリテーション部と共同して運動器疫学研究などを行っています。・側弯症矯正応力シミュレーションの研究・早期発症側弯症に対する新しい手術治療・思春期特発性側弯症に対するS-lineを用いた新しい治療戦略・脊柱矢状面アライメントと運動機能・認知機能・側弯症に対して安全で低侵襲な手術を患者さんに提供できます。・思春期特発性側弯症のカーブタイプ別に最良な固定範囲を提案できます。・超高齢社会を迎えて健康寿命を延ばすための提案ができます。変性疾患や外傷などの脊椎疾患の診断から治療について、整形外科医として現場ですぐに通用するレベルの技量を習得できます。特定の分野で研究を深め、世界でトップレベルの研究を目指します。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像ハイブリッド手術室対応多軸透視・撮影システム“ARTIS pheno”と次世代型自動レジストレーションが可能なナビゲーションシステム“CurveTM”を連動させた、ハイブリッドナビゲーション手術室Skip Pedicle Screw Fixation側弯症矯正シュミレーション研究

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