信大医学部医学科研究紹介2020(日本語版)
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29多彩な下肢疾患に対して様々な視点から幅広い研究を行っています下肢 班下肢 班(チーフ:講師 天正恵治)(チーフ:講師 天正恵治)運動機能学信州大学下肢グループは下肢疾患(股関節・膝関節・足関節)を広く扱っており、これに対する各種研究を行っております。前十字靱帯手術におけるナビゲーションシステムの開発、また股関節や前十字靱帯における解剖学的研究を行い多数の論文を作成しています。また、テイジンナカシマメディカル社との共同で術前計画ソフトと連携した人工関節手術機器の作成などを行っています。この他前十字靱帯再建術に対する新しい術式の開発、新しい手術方法・術後機能に影響を及ぼす因子に関する研究を行っています。・前十字靱帯の解剖学的形態に関する研究・前十字靱帯再建術後の早期復帰を目指した新しい手術術式の開発・人工関節手術における新しい手術支援システムの開発・人工膝関節置換術における術後機能に影響を与える因子の解析・人工関節に対して安全で低侵襲かつ高機能な手術の提供を行います。・前十字靱帯再建術において早期に安全に競技復帰可能な術式の開発を目指します。下肢疾患の診断から治療について、幅広く対応できる総合力を身につけることができます。特定の分野で研究を深め、世界でトップレベルの研究を目指します。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像ACL手術用ナビゲーション人工膝関節手術機器シュミレーション前十字靱帯付着部における解剖学的研究臨床で得たヒントを研究にフィードバック ~上肢外科の魅力~上肢 班上肢 班(チーフ:学部内講師 林 正徳)(チーフ:学部内講師 林 正徳)運動機能学上肢外科は外傷や疾患により障害が生じた上肢の機能を再建することを目的とした分野であり、整形外科の中でも特に扱う疾患が多いため、研究テーマが豊富です。信州大学上肢グループでは、日常の診療で得たヒントを研究にフィードバックさせ、臨床から基礎に至るまで様々なテーマで研究を行っています。特に末梢神経が圧迫されて生ずる絞扼性神経障害や手指の腱断裂、関節症の診断法および治療法に関する研究、腱細胞分化や狭窄性腱鞘炎に関する基礎研究では、国際学会での発表や英文誌への投稿により、世界に情報を発信しています。・手根管症候群・肘部管症候群の画像所見や術後成績に関する研究・手指屈筋腱断裂陳旧例に対する足趾屈筋腱移植(滑膜内腱移植)術 ・小布施町民を対象としたコホート研究(おぶせスタディ)・腱細胞分化や腱鞘炎発症メカニズムの解明・研究から得た結果を実際の患者さんの治療に生かすことができます。・ロコモティブシンドロームや骨粗鬆症など高齢者に起こる疾患に対する新たな予防法の提案ができます。・腱細胞分化や腱鞘炎発症メカニズムを解明することで、再生治療や新規治療法の開発などに応用できます。研究を通じて、上肢外科に関連した疾患についての知識を深めることができます。また現象を多角的に捉える目を養うことで、以後の臨床やさらなる研究に役立ちます。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像腱移植手術中に撮影した写真ルブリシンノックアウトマウスの屈筋腱組織像マイオスタチンによる腱細胞の分化誘導

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