信大医学部医学科研究紹介2020(日本語版)
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18血液内科のダイナミズムを体感しよう血液 班血液 班(チーフ:講師 中澤英之)(チーフ:講師 中澤英之)内科学第二血液腫瘍は、他の悪性腫瘍と比較して稀ですが、その多くがいまだ難治性であり、その発症機序の解明と治療方法の開発が急務の課題です。中でもアグレッシブNK細胞白血病(ANKL)は、生存期間中央値が3ヶ月以内と極めて予後が不良な疾患でありますが、当科ではこれまで、県内の血液内科と協力しつつ、ANKLに対する治療を積極的に実施してきました。さらにフィンランドならびに台湾、韓国の医学部と共同研究を行い、ANKLに代表されるNK細胞腫瘍の遺伝的発症機序の解明に貢献してきました。現在も、赤芽球癆など顆粒リンパ球増多症に合併する類縁疾患の発症機序の検討を続けています。また、同種造血幹細胞移植などの治療方法の開発を目指して国内多施設共同研究に参画しています。・難治性血液腫瘍の遺伝子研究・難治性血液腫瘍に対する同種造血幹細胞移植方法の開発・ナチュラルキラー細胞性腫瘍の治療方法の開発・顆粒リンパ球増多症と類縁疾患の臨床研究および遺伝子研究血液腫瘍の遺伝的背景が解明されることが治療方法の開発や診断方法の改善につながることは当然のことながら、研究成果が疾患概念そのものに変革をもたらしうる。そのダイナミズムを感じ取りながら、日々の研究と診療に携わることができるのは、血液内科ならではの醍醐味であろう。・海外の研究施設との共同研究等を通じて世界へ情報発信する研究者・臨床医の育成・リサーチマインドを備えた臨床血液専門医の育成主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像2017年7月日本血液学会関東甲信越地方会を主催顕微鏡カンファレンス風景海外の血液学会での発表全身を診る!総合力と専門性を磨く!研究・診療内容の概要第三内科は脳神経内科とリウマチ・膠原病内科、およびアミロイドーシスを専門とする科です。その特徴は何と言っても「全身を診る」こと。脳神経内科では全身に張り巡らされた神経を原因とする病気を診ます。その範囲は、脳から始まり脊髄から末梢神経、筋肉に至るまで、文字通り「頭の先から足の先まで」です。神経内科の病気は血液検査や画像検査では分からない病気も多く、全身を診察して、神経所見を取って診断を突き詰めていくという、まさに内科らしい診察力、診断力が身につきます。リウマチ・膠原病内科は、いわゆるリウマチ性疾患や自己免疫性炎症性疾患を診ます。関節が障害される病気が多いので、まさに「全身の関節」を自ら見て、触って、異常を診断できるスキルが身につきます。胸腹部などの一般内科診察に加えて神経所見と関節所見まで診ることができる技術を身につけられるのは当科だけです。アミロイドーシスは全身の臓器にアミロイドという異常な蛋白が沈着する病気です。その対象は脳、心臓、腎臓、肝臓、消化管、末梢神経、筋肉、内分泌組織など、まさに「全身」です。膠原病の内臓障害も、これら多くの臓器に及ぶことがあります。すなわち当科では神経内科医、膠原病内科医としての専門性と共に、全身の臓器が様々な程度に障害された患者さんの病態を総合的に判断して治療する総合力も習得することができます。各班の研究内容は次ページ以降を参照下さい。【科長名】脳神経内科科長:関島良樹リウマチ・膠原病内科科長:下島恭弘【疾患班名】1.アミロイドーシス診療・研究 班2.神経難病診療・研究 班3.筋疾患診療・研究 班4.リウマチ・膠原病診療・研究 班内科学第三(脳神経内科、リウマチ・膠原病内科)

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