信大医学部医学科研究紹介2020(日本語版)
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15チャレンジ精神と和、強い好奇心を教室のモットーとし、熱心で有能な臨床医を育てる研究・診療内容の概要内科学の中で消化器内科学、腎臓病学、血液病学を担当し、優れた臨床医を数多く育てることを目標に、診療、教育、研究の活動を行っています。教育、診療、研究は優れた臨床医を育て質の高い医療を達成するための三本柱です。教育は、学生や研修医の特性を伸ばしながら、医療チームの一員として行動できるよう指導することを重視しています。診療では、明るく達成感のある診療環境を作っています。消化器はより高度な医療を達成するため、さらに胃腸、胆膵、肝臓に分かれ専門的な診療を行っています。腎臓は、腎炎の診療に加え、血液浄化療法、腎移植にも力をいれています。血液は、骨髄移植を中心に基幹病院としての診療を行っています。研究は各診療班ごとに行っており、知的好奇心の源となっています。他の研究者が発信した情報を正しく評価し、自分でエビデンスを作る力を身につけ、自分が主体となって研究を行うことで自分の考えを世界に発信していきます。【疾患班名】1.肝臓班    4.腎臓班2.胃腸班    5.血液班3.胆膵班内科学第二(消化器内科、血液内科、腎臓内科)分子遺伝学・分子生物学から在宅医療の臨床研究まで包括した独創的研究当教室では、呼吸器、感染症、アレルギー領域を中心に未解決の臨床的な課題を解明すべく、症例検討、疫学的手法、分子・細胞生物学、分子遺伝学、動物実験などを駆使し研究をおこなっています。対象となる具体的な疾患としては、喘息・COPD(慢性閉塞性肺疾患)、肺癌・胸部悪性腫瘍、呼吸器感染症、間質性肺疾患、肺循環障害、睡眠時無呼吸などであり、さらに、信州の地に特異的と言える高地医学があります。臨床研究では長野県内や全国の医療機関や研究期間と共同で行っている研究も数多くあります。・高地順応および高地適応に関する分子遺伝学的検討・ラットを用いた第3群肺高血圧症の病態解明と治療法の開発・IgG4関連呼吸器疾患の病態生理と病因の解明・肺非結核性抗酸菌症の新たな診断法および治療法の検討・新たな気管支鏡や気管支鏡手技の開発・COPDの病態解明に関する研究   など高齢化社会を迎え、呼吸器疾患や感染症疾患は増加の一途を辿り、2030年には世界の10大死因のうち4つを占めると予想されています(COPD、肺炎、肺癌、HIV感染症)。また、気管支喘息を初めとしたアレルギー疾患も増加傾向にあります。難治性の疾患も多く、病態・治療法など未解決な問題は山積しています。地道な研究成果の積み重ねにより、疾患を克服し、明るい未来を構築することが可能です。希望する様々な将来像に応じて、呼吸器、感染症、アレルギーの専門医取得を見据えたキャリアプランの選択が可能です。また国内外への臨床、研究留学についても弾力的に対応します。主な研究テーマ研究から広がる未来卒業後の未来像内科学第一(呼吸器・感染症・アレルギー内科)(教授 花岡正幸)教室員全体写真気管支内視鏡(写真左)や呼吸機能検査(写真右)を用いた研究も数多く行っています

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