信州大学統合報告書2020
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グラフが示す通り減価償却累計額等残高は年々増加しており、2004年度と比べて2019年度の減価償却累計額等残高(損益内)は約56億円から約869億円へと15倍以上に急増しています。また、建物や設備の老朽化の度合いを示す老朽化率(減価償却累計額/取得価額)も2004年度から2019年度では、建物で6.2%から58.2%へ、工具器具備品で23.3%から73.5%へそれぞれ増加し急速に老朽化が進行しています。教育・研究活動を維持・発展させていくためには、建物や設備の更新が必要不可欠ですが、限られた予算の中で十分に行うことができていないのが現状です。学生・研究者の教育・研究環境を整えるために皆さまのご支援・ご協力を賜ることができれば幸いです。このように大学の財務状況は厳しいですが、信州大学70周年を機に、信州大学山岳会の卒業生らでつくる信州大学学士山岳会のご寄附で、老朽化の激しかった山岳会部室を「信州大学山岳会館」として新築することとなりました。(下段、写真参照)借入金は2004年度から減少していましたが、診療機能を強化しさらなる地域貢献及び社会貢献を行うべく附属病院包括先進医療棟(南病棟)の建設を行ったため、2017年度に一度増加し翌年度から再び減少しています。建物や設備の老朽化について減価償却累計額等残高の推移02004006008001000120020192018201720162015201420132012201120102004借入金(長期・短期)残高の推移010020030040020192018201720162015201420132012201120102004(億円)(年度)(億円)(年度)損益外残高損益内残高短期残高長期残高5656372372423423206206533533588588653653712712762762816816869869222215515518218247447423023025325327927930330332432434434436036032932922222220220221211711711511511381381431432002001851851711713838252522221901902121202019191919171719191717主に附属病院における借入金の元金返済額と見合いの固定資産の減価償却費の額に差が生じるため発生するものです。例えば、60億円を借りて固定資産を購入した場合(返済期間:20年(均等返済)、減価償却:30年(定額法))、借入金の返済に病院収益が充てられるため1~20年目までは毎年3億円の病院収益が返済に充てられるとともに、減価償却費として毎年2億円の費用が発生することになります。これにより1~20年目は毎年1億円の利益が発生し、21~30年目は毎年2億円の損失が発生します。信州大学山岳会 旧部室寄附により新築新築された信州大学山岳会館現金を伴わない利益とはビジョンと経営戦略活動実績ガバナンス人と地域の資産財政情報05財務情報決算情報返済に当てられる収益現金を伴わない損益費用毎年3億円1~20年目21~30年目累計毎年+1億円(利益)毎年2億円毎年0円毎年△2億円(損失)毎年2億円60億円±060億円建て替え前新築竣工Integrated Report 2020 Shinshu University55

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