信州大学統合報告書2020
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Shinshu UniversityIntegrated Report 2020Integrated Report 2020 Shinshu University32TOPICS信州大学の環境への取組信州大学には環境マインドを持つ人材を育てた、環境教育の長い歴史があります。信州大学長が掲げる大学運営の基本方針、主要キーワードのひとつ「GREEN」毎年4月、学生環境委員会は、委員会メンバーが設計したエコバッグをすべての新しい1年生に配布します。このエコバッグを新入生に使ってもらいビニール袋の使用を少なくしてもらうとともに、信大生としてのエコマインドを育んでもらおう、というのが狙いです。学生の7割は県外出身者のため、一人暮らしの買い物にも活躍し、使いやすいと好評です。学生環境委員会から新入生にエコマインドを贈る環境問題が多様化の時代に入った1993年に環境基本法が制定されました。信州大学は、1998年に工学部環境機能工学科(現:水環境・土木工学科)を設置して、様々な環境教育を実践してきました。2001年には、工学部のある長野(工学)キャンパスが国立大学で初めてISO14001認証を取得。全教職員と全学生が一丸となって環境に調和するキャンパスづくりを推進し、その後、5つのキャンパスすべてが認証を受けました。2017年には本学独自の環境マネジメントシステムへ移行することを決めて認証登録を返上し、新たな形で成長し続けています。環境に起因する課題は多岐にわたるため、今後は文系・理系を問わず、持続可能な社会を作るうえで環境に関する幅広い知識と実践的な知見が不可欠です。全学部の1年生を対象とした独自の履修認定制度「全学横断特別教育プログラム」では、2019年に「環境マインド実践人材養成コース(2年間プログラム)」を開講しました。産・官・民の環境セクションから実践者を迎えての講義や、環境関連施設の見学、農林業などの体験実習を通し、高年次では、フィールドを海外に移して日本の現状との比較をしながら、サスティナブルとは何かを掘り下げます。環境教育を推進して20年余り、全学を挙げて環境問題に取り組む環境という切り口から、社会課題解決に取り組む高度キャリア人材を育成中信州大学長は大学運営の基本方針として、3つの「G」と3つの「L」という6つのキーワードを掲げ運営を推進しています。3つの「G」は、Green、Global、Gentleで、緑に囲まれた自然環境豊かな信州で環境マインドを持ち、グローバル展開できる能力を有し、気品高く落ち着いてものを考える人材を育成すると言う思いを、3つの「L」は、Local、Literacy、Linkageの3つで、地域貢献のための様々な取り組みを戦略的に行い、様々な教養が身につく教育プログラムを提供するだけでなく研究を通して次世代の教養を構築し、大学間連携、産学官連携、地域連携等様々な連携を強化していくという思いを込めています。

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