信州大学統合報告書2020
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Shinshu UniversityIntegrated Report 2020PROGRAM信州大学がハブとなり、高度な専門性を持つ首都圏人材が地方企業の課題解決を図る、これまでに無かった新しい地域活性化の仕組みです。「信州100年企業創出プログラム」は、首都圏などで高度な専門性を持って活躍している人材を、信州大学の「リサーチ・フェロー(客員研究員)」として受け入れ、県内の受入企業の課題解決と持続的成長のためのシナリオ作成に挑戦する取り組みです。2018年度に、中小企業庁のモデル事業としてスタートし、プログラムや運営体制を進化させながら、3年目を迎えました。2年目以降は、地域コンソーシアムを形成して事業の自走化をはじめ、首都圏人材が地方の中核人材として循環するエコシステムの形成を促し、地域経済の成長、活性化へとつなげることを目標にしています。リサーチ・フェローには、企業の成長促進に必要な知見について、学び、研究する実践型リカレント教育・研究プログラムを6か月間提供。受入企業で業務に従事しながら、経営課題の整理・解決に社内のメンバーとともに取り組みます。最終的には100年先を見据えた成長シナリオの作成とともに、雇用や事業連携など、受入企業との新たな関係性構築に臨みます。2019年度以降は、金沢大学をはじめ、他地域での横展開も始まっています。さらに、台湾や韓国など地方創生に取り組む海外への展開も進めながら、新しい産学連携事業の創出にも挑戦していきます。信大発、地方創生の新スキーム「信州100年企業創出プログラム」初年度となる2018年度は、8社の受入企業に対し9人のリサーチ・フェローが参加。企業と正規雇用や業務委託の契約を結ぶなどの成果を得ることもできました。2年目となった2019年度には、信州大学と特定非営利活動法人SCOP、(株)松本山雅、(株)日本人材機構が協同して、「信州100年企業創出プロジェクトコンソーシアム」を立ち上げました。信州大学発ベンチャーで地域シンクタンクであるSCOPは、プロジェクトの全体設計及び統括事務局を務め、日本人材機構が中核人材となり得る人材の確保に関するノウハウを提供しました。また、「百年構想」を掲げる日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)のメンバーである松本山雅は、地域の中小企業の開拓やニーズの把握、人材の定着化支援を担います。2019年度にはコンソーシアムを発足、さらに高度なスキームを提供2018年に開催したキックオフイベントの様子。信州大学がハブとなる新しい地域活性事業として、メディアからの注目度も高く、NHKをはじめ、日本経済新聞や東洋経済新聞、読売新聞、フォーブスジャパンなど日本の主要なビジネス誌、地域メディアにも多数取り上げられました。松本山雅のホームであるサンプロアルウィンにて。左から(株)日本人材機構(※)代表取締役社長 小城武彦氏、信州大学長 濱田州博、(株)松本山雅代表取締役社長 神田文之氏、NPO法人SCOP理事長 鷲見真一氏※(株)日本人材機構は、ミッション終了に伴い、2020年6月末で解散(2019年撮影)首都圏の高度キャリア人材と地方企業をマッチング、信大モデルと呼べる、地域の人材ソリューション2020年度のプログラムイメージ信州大学、SCOP、松本山雅中核人材[客員研究員]地域企業[参画企業]コンソーシアム信大教員特別講師6社(予定)6名(予定)信州100年企業創出プログラム①信大教員による研究員指導③経営人材の育成支援②経営課題の整理・解決サポート100年企業を見据えたシナリオ作成信州大学教員による個別ゼミを開設。参画企業様の課題の整理・解決、成長シナリオの作成に向けた研究サポート週3~4日、企業に伺い経営課題の整理・解決を行います。週1日、大学のゼミで教員・大学の知見を活用し、課題の整理・解決にむけた研究活動、シナリオ作成のための研究を行います。参画企業様の経営者・次世代経営者・幹部人材を対象とした人材育成プログラムを合わせてご提供研究員が企業様にて、課題の整理・解決を社内メンバーの皆様と取り組み、関係構築を行いながら、現状を踏まえた成長シナリオを作成Integrated Report 2020 Shinshu University26

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