保健学科_研究紹介2020
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―18―看護学専攻広域看護学領域こどもの笑顔を支えるために家族の「育児」と「育自」を応援する 乳幼児期は「人」のこころや身体の基盤をつくる大切な時期です。この時期の親や家族の関わりはとても重要で、子どもだけでなく親も人間的に成長が必要となる時期でもあります。 しかし、近年増加している乳幼児虐待の背景には、育児に自信がなく不安を抱え込むなどの育児力の未熟さや、家族で育児に取り組めず負担が偏っている状況、障がいや病気によって育てにくさを持つお子さんの育児等が複雑に関連します。そこで、育てにくさを持つお子さんのお父さんの育児をテーマとして、実際の育児状況や心情・意識、家族内や社会との関係性を調査することで支援ニーズの明確化や親になった後のライフプラン設計などの提案を目指しています。 「育てにくさ」をもつ発達障がいのお子さんの育児を切り口に、育児をするすべてのご家族に汎用できるような育児支援を提案します。 また、育児をとおしてご両親自身も成長し、家族全員が笑顔でそれぞれの人生を楽しめる力を養えるよう応援します。 そして、お子さんと家族とって大切な時期を充実して過ごしてもらうため虐待予防も視野に入れ、社会的支援の実施につなげます。 地域で暮らす人々の生活に入り込み、赤ちゃんからお年寄りまで全ての住民の健康な暮らしを「予防」の観点から支える立役者「保健師」として将来活躍する人を目指せます!「保健師」は、保健所・市町村保健センター・企業など病院とは異なる場で活躍します!公衆衛生看護学研究から広がる未来卒業後の未来像赤ちゃんの「発育」をみるための技術を学ぶ演習の風景家族の笑顔は子どもこころの成長に不可欠当事者の声を聞くためにアンケートや面接調査を行う弘前大学医学部保健学科看護学専攻卒業。信州大学医学系研究科修士課程修了(医科学修士)。長野県佐久穂町保健師、長野県保健師として勤務。2013年より保健学科看護学専攻に着任。石田 史織 講師看護学専攻広域看護学領域在宅看護学:病院中心の看護から、地域での生活と医療をつなぐ、支える看護へ 病気や障害を抱えた方々が住み慣れた地域で生活していけるように、その人や家族の暮らしを見据えて、一緒に考え、行動できる看護師が求められています。治療することだけが目的ではなく、その人が望む生活やより安心な生活を送るために健康が必要であることを理解した支援が必要になります。また様々な方との連携や協調は欠かせません。 私は教育の他に、地域で働く訪問看護師等の支援者と現場の課題解決に向けて取り組んでいます。特に長期に渡る療養生活を余儀なくされる医療依存の高い難病療養者やご家族の支援、療養の場の移行や在宅支援に伴う連携に関すること、災害弱者と呼ばれる災害要援護者のための支援体制作りに関すること等を主な研究テーマとしています。 国により地域包括ケアが推進されており、看護職の活動の場が拡がっています。看護職間や多職種・多機関と連携することは益々重要になります。現在、モバイル端末等のICT活用による連携に関する研究に取り組んでいます。 在宅等で継続した医療処置が必要な方々が増えています。その方々の思いを傾聴し、安心・安全な生活を支援するための体制つくりを現場の看護職や他分野の方々と追及していきます。 病院に入院している患者様は、地域で暮らしていた方です。その方の理解や支援には、身の回りの出来事や社会に関心を持ち、様々な場に積極的に出向いて経験する、様々な人と話す、聴く、一緒に考える等が、看護を学び、追い求める上での力となります。在宅看護学研究から広がる未来卒業後の未来像実習前の模擬訪問看護演習:ロールプレイ学内演習の様子在宅看護実習の学内まとめ千葉大学看護学部卒業。聖路加国際病院勤務、信州大学医療技術短期大学部助手、子育てを経て、松本短期大学後に、本学保健学科看護学専攻に着任。群馬大学医学研究科修士課程修了。高橋 宏子 准教授

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