保健学科_研究紹介2020
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―15―看護学専攻小児・母性看護学領域つながる子育てを目指して「父親・母親になる」ことを支える方法の研究 少子化や核家族化、そして地域のつながりが薄いことから、現代の女性は自分自身の妊娠・出産で初めて赤ちゃんに触れることが多く、子育てを不安に感じる方や戸惑う方が多いと言われています。 人と人とのつながり、地域とのつながり、妊娠前からのつながり、妊娠してから出産までのつながり、出産してから子どもが大きくなるまでのつながりを持ち、孤立しない子育て環境を整える研究をしています。「男性が父親になる、女性が母親になる」ことを支え、また、親と子のきずなが深まり虐待予防へとつながるケアの探索とエビデンスの構築をしています。 専門は、助産学、母性看護学です。 妊娠中から出産後まで継続して子育てについて学ぶ場として年に1回程度、「子育て講座」を開催しています。 男性は父親になるために、女性は母親になるためにどのような準備をして行ったら良いのか、また、子どもの成長に合わせた内容を学びます。専門家が支援する場だけでなく、地域で子育て中の父親・母親が集う場を提供しています。 看護師・助産師は人と関わることが中心となる専門職です。どんな場面においてもコミュニケーションをとることができる力を得ておくと社会に出ても有効的です。自分自身がいろいろな経験をしておくと、役に立つことも多くあります。母性看護学・助産学研究から広がる未来卒業後の未来像長野県松本市出身。大学卒業後、助産師の資格を信州大学で取得後、病院勤務を経て2006年に保健学科に着任。信州大学医学系研究科保健学専攻修了(保健学博士)。芳賀 亜紀子 講師【2歳児を育てる両親への子育て講座】年齢・発達に沿った遊び(粘土遊び)を親子で行う時間【出産直後の早期母子接触の研究】安全で快適なケアの実施を検証【パパとママと赤ちゃんのための講座~妊娠期~】講義形式で知識を得て、演習で技術を学ぶ。実際に練習しておくと、パパの取組みが異なる。看護学専攻小児・母性看護学領域親が安心して子どもを産み育て子どもが健やかに育つことを支えるために 近年は、少子化や晩婚化・晩産化、そして核家族化や育児の孤立化の問題等、母子やその家族を取り巻く環境が大きく変化しています。私は、母親とその家族が安心して子どもを産み育て、子どもが健やかに育つために、今現在どのようなことが問題となり、どのような支援が必要なのかに関心を持ち、研究しています。現在は、新生児や乳児の育つ環境や呼吸・循環機能の変化に着目して、母親への調査や子どもの生理的な指標を観察する研究を進めています。また、妊娠期から育児期にかけて継続的に行う子育て支援に関する研究チームの一員として、母親・父親になる支援についても研究しています。大学卒業後、信州大学で助産師資格取得のために学ぶ。卒業後、病院助産師として勤務し、2007年に信州大学医学部保健学科に着任。信州大学医学系研究科保健学専攻修了(保健学博士)。徳武 千足 講師 現在は、主に妊娠期から育児期にあるご家族やそのお子さんを対象に研究を進めています。助産学や母性看護学の領域で研究を行うことは、女性や子どものライフサイクルのみならず、家族も含めて広く捉えることが必要です。この研究を続ける先には、安心して子どもを産み育てられ、子どもたちに明るい未来が待っているような社会につながること、さらに現代の少子化を打破していくことに役立つと考えています。 卒業後は、助産師や看護師として、病院や市町村、教育機関など様々な臨床現場で働き、活躍しています。医療や看護の発展を支えるためには、現場での研究も必要であると思いますので、是非、大学で研究の基礎や方法を学んでほしいです。母性看護学・助産学研究から広がる未来卒業後の未来像乳児の自宅に訪問し、心拍数や呼吸等の呼吸・循環機能を測定している様子子育て講座(妊娠期):パパ・ママに赤ちゃんの沐浴を教えている様子子育て講座(1歳児編):親子で一緒に手型・足型アートを楽しんでいる様子

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