工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード圧電素⼦・センサ・アクチュエータ・機械振動・運動の制御•ジャークセンサを用いた転がり軸受の損傷診断•圧電アクチュエータの荷重下の特性•糖尿病診断のための呼気中の低濃度アセトンセンサの開発•ジャーク計測による振動制御•直交2方向の構造共振を利用した振動子の基礎特性•PZTセラミックスのフレクソエレクトリック効果の研究•インパクトダンパによる弾性案内機構の制振•ジャークセンサの開発(民間企業との共同研究)•変位拡大機構と圧電素子を用いた圧力調整器の開発(民間企業との共同研究)•高感度実用ジャークセンサの開発とジャークフィードバックによる超精密制振法の実現(科研費基盤C)•低速回転転がり軸受対応の新しい高信頼性損傷診断法の研究(JFE21世紀財団技術研究助成金)•オープンループ駆動による圧電アクチュエータの超精密制御(メカトロニクス技術高度化財団研究助成金)•フレクソエレクトリック効果を利用した新しい角加速度センサの開発(科研費基盤C)•振動,センサ,振動信号の解析,自動化に関する研究などメカトロニクス系の共同研究を実施。最近の研究トピックス圧電素子を使った新しいセンサの開発等を中心に,圧電アクチュエータの荷重下の特性変化の調査,圧電アクチュエータのヒステリシス特性の速度依存性に関する基礎調査といった圧電体の特性に関する基礎研究を進めています。ここ数年はフレクソエレクトリック効果の研究もしていますが,フレクソエレクトリック効果とはひずみ勾配によって発生する電気分極現象のことで,角柱のねじりによるせん断変形のひずみ勾配によって大きな出力が得られることがわかり,新しいねじり振動のセンサの開発に応用できないかと挑戦しています。本研究室はメカトロニクス系の研究室ですので,基本的に製造現場に近い技術に関して共同研究や技術相談を受けています。研究例2:ジャークセンサを利用した軸受損傷診断の研究(損傷軸受からのパルス状振動の検出信号の比較)ジャークセンサ出力加速度センサ出力研究例1:航空機用次世代渦電流式ブレーキの基礎的研究教授辺⾒信彦研究から広がる未来卒業後の未来像辺見研究室では、電気と機械を融合したメカトロニクスの重要な要素であるセンサやアクチュエータの開発とその応用研究をしています。アクチュエータとは物を動かすための装置のことです。例えば加速度の時間微分値であるジャーク(加加速度)を測ることのできる新しいセンサを独自に開発し、その応用に取り組んでいます。精密位置決め機械で多用されている圧電セラミックスの材料特性や応答を詳細に調査して、高効率で超精密なセンサ開発などに取り組んでいます。また呼気中の特定物質を検出して糖尿病診断センサシステムの開発を海外の共同研究者とともに取り組んでいます。本研究室で進めている研究は、工業技術や生産技術への応用につながる速戦的な内容であったり、将来の科学の発展に寄与することが期待される新しい事象の探求など、学問的にも興味深い斬新的な内容です。本研究室では、ハードウェアとソフトウェアの両方を取り扱っており、学生はその両方が出来る技術者になって巣立ちます。研究を通じて学んだ物事に対処する能力と、研究室で苦楽をともにした仲間との繋がりは一生の宝となっています。東京工業大学博士後期課程を修了後、東京理科大学理工学部助手、信州大学工学部機械システム工学科講師助(准)教授を経て、2014年より現職。精密機構・加工、振動の計測と制御、新センサの開発研究などに従事。超精密機械とメカトロニクス要素技術(センサ、アクチュエータ、機構)【私の学問へのきっかけ】現在の道に進んだきっかけは、湯川秀樹博士に関する本を中学生のときに読み、漠然と物理学者になりたいと感じたことに始まります。それまでは自分もまわりも父の仕事を継ぐものと過ごしていましたが、世の中に貢献するには科学分野に進んだほうがより広く役立てるだろうといった大それた夢を抱き、最終的に大学受験で理工系への進路を決めました。ものづくりの基礎と応用、そして自分のできることを通じて少しでも人の役に立ちたいといまも考えています。ジャークセンサによる軸受損傷診断実験装置:独自に考案したセンサと信号処理法によって、極低速回転下でも診断を可能とした機械システム⼯学科圧電セラミックスのフレクソエレクトリック効果の測定実験装置:ねじり変形により高出力が得られることを発見し,新しい角加速度センサの開発を進めている91

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