工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード動的システムのモデリング・⾃動制御・振動制御・機械学習・状態推定/予測・フィルタリング・パルス駆動制御•システム同定理論を活用した動的システムのモデリング•モデルを活用したセンサレス状態推定•カルマンフィルタを活用した状態推定•適応制御、モデル予測制御、非線形制御等による動的システムの高精度制御(振動制御、位置決め制御、最適制御、etc)•機械学習(SVM,NN等)による推定・判別技術応用•計測制御工学の農業用ロボットへの応用•パルス駆動型アクチュエータによる制御•人の転倒検知アルゴリズムの構築(民間企業との共同研究)•野球ボールの回転速度推定(民間企業との共同研究)•オン/オフ弁を用いた空圧式防振台の振動制御(民間企業との共同研究)•精密位置決め機構のモデリング(民間企業との共同研究)•ホウレンソウ自動収穫装置の開発(農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業)•レタス自動収穫装置の開発(農林水産省・地域戦略プロジェクト)•土と剛体の相互作用を考慮した制御技術の構築と農業分野への応用展開(科研費(基盤研究A))•履帯駆動系のオンオフ制御による自動操舵技術の構築(科研費(挑戦的研究・萌芽))最近の研究トピックス(1) パルス駆動型アクチュエータによる振動制御パルス駆動型アクチュエータによる制御は、サーボモータ等の線形アクチュエータに比較するとその取扱いが難しいのですが、制御方法を工夫することで、線形アクチュエータに匹敵する性能を実現できます。その研究成果は、オンオフ弁を用いた空圧式除振台の振動制御や、オンオフ駆動型の履帯車両の自律制御に応用しています。(2)葉物野菜の⾃動収穫装置の開発ほうれん草やレタスなどの葉物野菜は、把持や挟み込みによるハンドリングでは傷をつけ、商品価値を損なう場合が有ります。それに対して、作物を把持せず、挟まず、地上から収穫するパッシブハンドリングの技術を開発し、自動収穫装置に応用しています。教授千⽥有⼀研究から広がる未来卒業後の未来像千田研究室では、メカや自動車等の移動体、ロボットや人体など、運動する物体の『動き』の解析とモデリング、運動状態の推定と予測、およびその自動制御に関する研究を行っています。そこでは、数学を基礎とした『制御工学』を活用し、新たな付加価値をもたらす技術の創造を目指しています。それらの研究成果は、車両の自律走行制御、空圧式除振台の高精度な振動抑制、ほうれん草やレタス収穫装置などの農業用ロボットの開発など、様々な対象に応用することができます。『制御工学』は、『動き』のある対象に適用できる横断的な科学技術です。例えば、メカの動きも人体も、物理的な運動の意味では同様に捉えることができます。制御工学は、複雑化した社会における基盤技術として、重要性が高まっています。研究室では、愛情の有る厳しさをモットーに研究指導しています。『大学は、社会人として自立する通過点に過ぎない。社会に出てから困らない程度の自力をつけて卒業できれば、将来の大きな飛躍に繋がる。』というのが、先生の口癖です。(株)東芝研究開発センターを経て、2002年4月より信州大学工学部。制御工学、システムモデリング、信号処理、ロボット工学、システム設計工学と、その産業、農業、福祉医療、などへの応用に関心がある。システムの動きを予測し、意のままに操る。『制御⼯学』の極意を探求【私の学問へのきっかけ】自分でも理由は良く解りませんが、何故か惹きつけられるものが有ったように思います。制御を使ってロボットを思いのまま動かすなんてカッコ良いと言った程度の、単純なものかもしれません。でも、その興味がいつまでも続いている。そんな状況が長く続いて、気づいたらこうなっていたという印象です。でも、一度は諦めて、大学院を修了後、一般企業に長く勤めました。そのままエンジニアでいることもできたので、まさか大学に戻ることになるとは思っていませんでした。でも、こうなったのは、自分の意志だけではなく、色々な巡り合わせもあるのだと感じています。機械システム⼯学科空気式除振台の性能を向上させるアクティブ制御技術の開発。研究成果は、(財)油空圧機器技術振興財団などから優秀論文として顕彰された履帯車両の自律走行制御用実験装置(研究室学生の自作です)レタス自動収穫の様子(2017)ほうれん草自動収穫装置(上)と圃場試験の様子(右)(2015)88

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