工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワードインクリメンタルフォーミング・コールドリサイクル・塑性加⼯・透明性圧縮⽊材■インクリメンタルフォーミング①知能化インクリメンタルフォーミング形状修正(仕上げ成形)の自己習熟化(成形機の知能化)スプリングバック零化技術普通の材料→室温で超塑性に近い延性発現(右図参照)②不均一金属薄板のインクリメンタルフォーミングテイラードブランク,多孔板,コールドリサイクル板③高速化・高強度化・板厚均一化(板材成形,チューブフォーミング)■コールドリサイクル(熔解過程を経ない金属板の室温リサイクル)①温室効果ガス排出量・エネルギー消費量→1%以下のレベルまで②品位維持(酸化被膜除去)③自己移植コールドリサイクル④アップグレード→コールドリサイクル鋼板の深絞り成形性>素板■圧縮木材①透明性圧縮木材→機能性材料②光透過性圧縮木材(右図参照)→機能性材料③高意匠性(右図参照)④圧縮高強度高密度化→機械材料(ネジ等の機械締結可能)⑤炭素長期固定用材再生化(松くい虫被害材,台風被害材・雪害材)●企業との共同研究インクリメンタルフォーミング,圧縮木材等●科学研究費補助金インクリメンタルフォーミング,透明性圧縮木材,コールドリサイクル最近の研究トピックス●光透過性圧縮木材高意匠性インテリアのIoT化への対応を目的に,当研究室で開発した光透過性圧縮木材(ヒノキ)の赤外線透過特性の解明と応用の研究を進めています.右下の写真は赤外線パターンの透過例です.教授北澤君義研究から広がる未来卒業後の未来像インクリメンタルフォーミングにより、金型を用いないで金属薄板を成形できるとともに、室温状態で金属薄板へも戻すこと(コールドリサイクル)ができ、再成形も可能になることが明らかになってきました。熔解過程を経ないため,エネルギ使用量とCO2排出量の大幅、削減も見えてきました。透明性圧縮木材は実験中に偶然発見されたエコマテリアルで、様々な製品への用途展開が期待されます。東京工業大学大学院修了後、長岡技術科学大学助手、信州大学助手、助教授を経て2004年より現職。研究分野は、塑性加工(インクリメンタルフォーミング)、環境材料、リサイクル、文部科学大臣賞(日本工学教育協会)受賞。⾦属板の3D「インクリメンタルフォーミング」究極の⾦属リサイクル「コールドリサイクル」透明なエコ新素材「透明性圧縮⽊材」【私の学問へのきっかけ】子供のころから「形」に興味があり、自動車・鉄道・ロボットなど目に見える物たちで溢れている機械工学へ進みました。入学してみると、そこは「力学」の世界でした。力は目に見えなく、形としてイメージできないため、当初は感的に違和感がありましたが、勉強していくうちに、形という具体的なイメージで理解できることがわかり、この違和感は消え、「知りたい」が湧き出るようになりました。機械システム⼯学科インクリメンタルフォーミング・コールドリサイクル・エコマテリアルの実験的研究を行った卒業生の皆さんは、自動車・電気電子機器・精密機器・エクステリア・金属などのメーカーで技術者として活躍しています。北澤研究室では、製品ライフサイクル(製造・使用・リサイクル)中に生じる環境問題(資源枯渇・地球温暖化・人の健康被害等)を改善する新しいエコテクノロジーの開発に取り組んでいます。①大量生産・大量消費・大量廃棄からの脱却を可能にし、必要な物を必要な量だけ迅速に製造するインクリメンタルフォーミング、②プラスチックなどの石油資源依存からの脱却を可能にし、安全な植物を原料とする機能性新素材、③金属リサイクルの環境問題(エネルギ消費・温室効果ガス排出・品位低下)を解決する新しい金属リサイクル(コールドリサイクル)を研究しています。84

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