工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワードメタル材料の構造物を中心に、解析や実験による様々な評価をしています。上図:コンクリート充填橋脚の耐震性を把握するために、繰り返し荷重や地震下での挙動を評価しています。下図:シザーズ橋の基礎特性を把握するために、振動実験から動的挙動を明らかとしたり、解析上で耐震安全性や詳細な応力集中の評価を試みています。緊急仮設橋・展開構造物・シザーズ構造体・アルミニウム構造物・地震応答解析・構造最適化•災害後の橋の緊急架橋技術の開発•災害後の橋の被害調査•展開構造物の橋構造物への応用•橋へのケーブル技術の応用•数値解析による耐震性能の評価地震で変形橋のモデル化・解析や実験による予測鋼製橋脚の地震時挙動•トラス化を意識したシザーズ型緊急橋の補強対策が耐震性能向上に与える影響(科研費:若手研究)•災害被災地への迅速架橋を目的としたシザーズ型緊急橋の耐震安全性評価(科研費:研究活動スタート支援)•形状最適化アプローチに基づいたカンチレバー形式モジュール橋梁構造の設計と試作(科研費:挑戦的研究(萌芽),分担)•Study of structural optimization and reinforcement of the Mobile Bridge(JSPS:二国間(日本-ポーランド)交流事業,分担)•海外留学奨学生(公益財団法人浦上奨学会)最近の研究トピックス‐100‐90‐80‐70‐60‐50‐40‐30‐20‐100051015202530GalFreqency (Hz)CH4応力集中地震時の挙動動的な挙動助教近広雄希研究から広がる未来卒業後の未来像道と道を繋ぐ「橋」。もしこれが災害でなくなってしまったらどうなるでしょう。復旧活動・救援活動と様々な活動場面に影響を与えてしまいます。近広研究室では、橋の防災・減災を対象に、①:迅速復旧可能な新しい橋の技術開発、②:地震や座屈などの問題に対する橋の上部工・下部工の安全性評価を行っております。例えば、①では右図のように、橋を速く架設する手段の一つとしてシザーズ機構と呼ばれる展開構造物を応用した橋の開発研究や、②では橋脚内にコンクリート充填された鋼製橋脚の耐震性評価を行っています。シザーズ構造をはじめとした展開構造物の応用研究は、土木分野でまだ多くありません。当研究室では、このシザーズ橋の動的問題・地震時挙動・構造最適化などを通じて現場安全性を評価しています。また橋本体だけでなく、鋼製橋脚などの下部工の耐震性評価も行い、設計指標を探っています。当研究室の卒業生は、官公庁・鉄道会社・建設会社など多岐にわたっています。特に、研究成果やその知識を活かし、橋の維持管理に携わったり、専業メーカーに就職する学生も大勢います。【私の学問へのきっかけ】九州北部豪雨災害や紀伊半島豪雨災害など被災地調査で、ものが「壊れた」現場を目の当たりにする機会がありました。当時は研究室に入りたての大学生でしたが、身近な土木構造物だからこそ災害時になくなってはならない!と未熟ながらも強く感じ、それまでに学んできた学問を通じてどうにか自分でも貢献ができないかと思い、この道を志しました。⽔環境・⼟⽊⼯学科広島県出身。広島大学大学院博士課程後期を修了後、2016年より現職。研究分野は橋梁工学、構造工学。現在は、橋の防災・減災技術の開発やアルミニウム合金材や展開構造物などの土木分野への応用に興味がある。橋などの道路網の損傷に対して、生存者・負傷者の迅速な救助・救援を可能とするためにも、新しい橋復旧システムが必要である展開構造物を利用した折畳んだ状態で現場まで輸送できる「シザーズ橋」の開発研究の例⾃然災害からどうやって橋を守る︖自然災害による橋桁の流出83

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