工学部研究紹介_2021_日本語版
80/152

研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード⽔環境・⽔防災・湖沼・河川•湖沼・貯水池・内湾における水質管理手法の検討特になし最近の研究トピックス■諏訪湖における貧酸素水塊形成・解消メカニズムの解明湖内5地点の湖底近傍における溶存酸素の連続観測結果から、貧酸素状態の発生・解消に関する時空間特性を検討した。諏訪湖における風や熱などを要因とする貧酸素水塊の発生・解消要因を見出した。(土木学会論文集B1(水工学)、71(4):I_769-I_774 2015)■長野県南木曽町で発生した土石流の解析的検討2014年7月に長野県南木曽町で発生した土石流について、既存の土石流シミュレーターを用いて再現計算を行った。再現精度を上げるためにはどのように解析条件を与えればよいかを検討し、「土石流の発生プロセスを考慮することができる土石流ハイドログラフ」と「砂防堰堤の土砂堆積状況」を考慮することが重要であることを見出した。(土木学会論文集F6(安全問題)、72(2):I_139-I_144 2016)■外国人と日本人の河川水害に対する意識調査アンケート災害時要援護者の一つである「外国人居住者」の防災意識の現状を把握することを目的として、長野市内において、河川水害に対する意識アンケートを実施した。その結果、外国人居住者は日本人と比べて、水害に備えておこうという意識(自助意識)は高かったが、身の回りで洪水が発生する可能性に対する意識が低いという結果を得た。(土木学会論文集F6(安全問題)、67-2、I_173-I_178、2011)准教授豊⽥政史研究から広がる未来卒業後の未来像世界各地でさまざまな水環境問題や水害が起きています。豊田研究室では、主に長野県内の湖沼・河川を中心として、これらへの対策を「水の動き」の観点から考えています。具体的には、現地観測・コンピューターシミュレーション・地形図の判読などを通して、実際の湖沼や河川で「水がどのくらいの速さでどの方向に動いているか」を計測・予測することにより、諏訪湖における水環境問題解決や長野市内における水害対策策定のための基礎的な現象の解明を行っています。人は自然の中に住まわせてもらっています。自分たちの研究・調査結果に加えて、他の研究者(例えば、生物・地質など)や行政などが出した結果をあわせて総合的にとらえ、よりよい自然とのつきあい方を考えていくことがこれからの時代では必要になってきます。国・県・市などで土木事業全般に幅広く携わる「公務員」が最も多く、次いで計画・調査・設計業務を主に行う「建設コンサルタント」、その他ではIT関連企業に就職した学生もいます。京都大学大学院修士課程、運輸省港湾技術研究所研究官、信州大学工学部助手・助教を経て、2017年より現職。研究分野は、湖沼・河川における「水の動き」。⽔環境問題や⽔害を『⽔の動き』の観点から考える【私の学問へのきっかけ】高校時代は、自然現象(自然災害、自然環境)に興味がありました。自然そのものを学ぶのならば理学部、自然と人や生物とのかかわりを考えるならば工学部の土木と考えました。最終的には、自然と人や生物とのかかわりを考えるのがおもしろいと思い、土木工学科を選択しました。その後、4年生になって研究室を選ぶときに、師事したいと思った先生の専門である「水」を選び、現在に至ります。⽔環境・⼟⽊⼯学科諏訪湖での湖上観測風景役割を手分けし、流速や水質などを観測している長野市内における地形からみた水害危険区域(黄色・赤色)今昔の地形図を判読し、地形特性から水害危険区域を抽出する78

元のページ  ../index.html#80

このブックを見る