工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード⾮定常頻度分析・洪⽔・渇⽔・降⽔量・流量・千曲川流域・⽇本列島•流域の変遷とハイエトグラフの特性を考慮した洪水時間単位流量の逓減特性•流域平均年最大1・2・3日降水量非定常頻度分析の追加検討~千曲川流域の場合~•流域平均年月降水量非定常頻度分析の追加検討~千曲川流域の場合~•気温・降水量の時系列特性と両者の相互依存関係~日本列島の場合~•氾濫注意水位相当での流量以上の洪水におけるハイエトグラフの経年変化~千曲川流域の場合~•流域平均年最大1・2・3日降水量非定常頻度分析~千曲川流域の場合~(実践水文システム研究会)•年最大1・2・3日降水量の等質化とその非定常頻度分析(科学研究費基盤研究)•開水路の三次元流れの水理解析法に関する研究(科学研究費一般研究)•千曲川流域の変遷に伴う流出形態の変化に関する研究(科学研究費特別研究)最近の研究トピックス国土交通省北陸地方整備局千曲川河川事務所より千曲川流域6地点(立ヶ花、陸郷、熊倉、杭瀬下、生田、小市)の時間単位流量データとやはり千曲川流域25地点の降水観測所における時間単位降水量データがCDで提供を受けた。従って、これら6地点流域における治水・利水計画(洪水・渇水計画)が可能となった。寒川研究室では1991年より治水・利水(洪水・渇水計画)のための非定常頻度分析に取り組んできたが、流域平均での非定常頻度分析は2018年が初めてであり、実用的にかなり進歩を遂げている。准教授寒川典昭研究から広がる未来卒業後の未来像寒川研究室では、治水・利水計画を策定するための降水量の非定常頻度分析に取り組んでいます。治水計画とは洪水に対する計画、利水計画とは渇水に対する計画です。従来、これらの計画に用いる確率降水量は定常頻度分析から求めていましたが、近年、降水量時系列は非定常性を示すことが明らかにされてきました。従って、非定常頻度分析が必要となってきます。同研究室では、この課題に1991年から取り組んでいます。おそらく世界でも類を見ない研究といえます。2018年度から、千曲川流域平均降水量について非定常頻度分析の導入に取り掛かりました。2020年度末までに千曲川流域への適用は完成させる予定です。降水量の非定常頻度分析は、将来起こり得る洪水・渇水を防御する計画指標を与えます。洪水指標は増加する傾向にあり、渇水指標は減少する傾向にあります。どちらの指標も規模を大きく取らねば成りません。当研究室は行政側の指示待ちです。寒川研究室の卒業生は、公務員、ゼネコン、コンサルタンツに就職し、大いに活躍しています。研究室で取り組んだ内容を実務に生かすには、今少し時間がかかりますが、そのような状況になることを大いに期待及び楽しみにしております。近い将来実現するでしょう。信州大学工学部助手、助教授を経て、2007年より現職。主な研究分野は、水文学・水資源工学。特に、治水・利水計画に用いる降水量の非定常頻度分析。この分野では先駆的な論文を数多く発表。現在,実用化の段階。洪⽔・渇⽔対策に対する治⽔・利⽔計画を策定するための⾮定常な確率降⽔量の算定年最大日降水量100年超過確率降水量経年的に増加傾向にある(新潟)年降水量の非超過10年確率降水量経年的に減少傾向にある(新潟)⽔環境・⼟⽊⼯学科【私の学問へのきっかけ】私が生まれた和歌山県日高郡日高川町は、よく大きな台風が襲来します。それにより、家屋の浸水や土砂崩れ等が起こり多大な被害が発生します。これを何とか防ぐ方法はないか幼少の頃から考えておりました。大学に進学して、これらの事を取り扱う学問として水文学がある事を知りました。以来、私の研究は水文学になりました。そして、水文学で卒業論文、修士論文、博士論文を書きました。又、この様な事を研究できる就職先として、大学を選びました。大学での研究は水文統計一筋で行っております。そして、洪水対策に対する研究成果を発表し、社会の役に立てたと自負しております。今後も、同様の研究をつづけていくつもりです。75

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