工学部研究紹介_2021_日本語版
74/152

研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード機能性⼟系舗装・地盤補強技術・不飽和⼟の⼒学特性・斜⾯保護技術•土の保水特性と吸水特性の定量評価•画像解析を応用した粘土の体積収縮量の測定技術•土木用不織布によるキャピラリーバリアの斜面防災技術への適用•土木用不織布の長期圧縮特性の定量評価•積雪寒冷地に適用した機能性土系舗装の開発•X線CT画像解析を用いた土系舗装の凍結膨張による内部ひずみの定量評価と凍害劣化メカニズムの解明•機能性土系塗装の寒冷地への適用に関する研究(民間企業との共同研究)•土系舗装の凍害劣化におけるX線CT画像解析と細孔径測定による現象と機構の解明(科研費基盤研究(C))•豪雨時の斜面防災技術のための高分子通気防水シートを用いたキャピラリーバリアの構築(科研費基盤研究(C))•圧密履歴の異なる粘土の収縮特性とその骨格構造の予測への応用(科研費若手研究(B))•補強材のクリープ変形に伴う補強土のせん断強度の増加特性の評価に関する研究(科研費若手研究(B))•空洞膨張論を用いたジオグリッド補強土の応力・変形分布の予測に関する研究(科研費若手研究(B))•補強材の引抜き特性に及ぼす補強土の応力・変形状態の影響に関する研究(科研費若手研究(B))最近の研究トピックスレゴブロック(擁壁・アンカー)、アルミ棒積層体(裏込土)を用いた補強土壁模型の載荷実験凍結融解を繰り返した土系舗装サンプルのX線CT画像初期状態4サイクル目10サイクル目凍結して氷の中に閉ざされたサンプルをX線CTスキャナで撮影することによって、サンプルの膨張変形や内部クラックを可視化。サイクル数の増加とともに、膨張変形が大きくなり、内部クラックが発達していく。そのような過程を詳細に検討することができる。准教授河村隆研究から広がる未来卒業後の未来像河村研究室では、最も身近な土木施設である舗装、橋や建物などの構造物を支える地盤を対象とした研究を、主に室内試験に基づいて実施しています。土舗装は、保水性が高く、水たまりやぬかるみが生じないことから、歩行者用舗装として公園や歩道に多く適用されています。しかし、高い保水性のために、長野県のような積雪寒冷地では、ひび割れなどの凍害劣化が懸念されています。そこで、凍害劣化に強い土舗装に必要な材料や施工法の開発を目指しています。また、土木構造物に用いられるコンクリートや鉄筋と比較して強度が低い土を補強し、巨大土構造物を築造するための研究も実施しています。土舗装に凍害劣化への耐久性が負荷されれば、水たまりやぬかるみの凍結が生じなくなり、人や自転車がスリップ事故の発生を抑制することができます。本研究の成果は、人にも環境にもやさしい歩行者用舗装として、健康長寿が望まれる高齢化社会へも大きく貢献できます。卒業生の多くは、国土交通省、県庁、市役所などの官公庁(公務員)、建設会社や建設コンサルタントなどの建設業界、JRやNEXCOなどの交通インフラ業界に就職し、土木技術者として地域や社会に貢献しています。大学院に進学する学生も少なくありません。九州大学工学部卒業、同大学院修了、信州大学工学部助手、学内講師、助教を経て、現職。主な研究分野は、積雪寒冷地に適した機能性土系舗装の開発、粘土の水分保持特性の評価、ジオグリッドを用いた地盤の補強など。⼈・環境にやさしい舗装-⼟系舗装巨⼤⼟構造物-地盤の補強【私の学問へのきっかけ】中学生、高校生のとき、愛媛県から香川県に列車通学しました。通学列車の車窓から建設途中の瀬戸大橋や大橋に繋がる鉄道の高架化の工事を見て、「土木工学」という分野を意識するようになりました。子供の頃から図画工作やプラモデルなどの「ものづくり」が好きだった私にとって、土木分野は、つくるものが壮大で地図にも残る、つくるまでの過程も大規模である、ということで非常に魅力的でした。自分もそんな仕事に携わってみたいと思い、この分野を選びました。⽔環境・⼟⽊⼯学科補強土擁壁の施工現場、壁面パネルと金属補強材の接続(上)全景(下)土舗装の施工例72

元のページ  ../index.html#74

このブックを見る