工学部研究紹介_2021_日本語版
54/152

研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード情報理論・レート歪み理論・通信路符号化・コスト付き符号化•情報通信基礎理論•情報通信システムの数理モデル解析•算術符号の精度に関する遅延と符号化レートの解析(科研費基盤C, 2018-2020)•情報源符号化における遅延と符号化レートの解析(科研費基盤C, 2014-2017)•不規則に発生するシンボルに対する符号化の遅延最小化(科研費基盤C, 2011-2013)最近の研究トピックス准教授⻄新幹彦研究から広がる未来卒業後の未来像通信、放送、情報記録などはすべて情報源から受信者へ情報が届けられる過程とみなすことができます。西新研究室では様々な情報伝送システムを数理モデルで表現し、性能の理論的な限界を探求しています。例えば、ネットワークでの動画配信などのストリーミング技術では、滑らかな再生を実現するために帯域幅とデータ圧縮のバランスを考える必要があります。実用のためのノウハウは蓄積されていますが、事象の背後にある数理は解き明かされたとは言えません。理論的限界を示すことによって今後の改善の余地を見極めることができます。地震の緊急信号の伝達は、1秒遅れるだけでも甚大な被害の拡大につながります。情報の伝達と遅延の関係を解き明かすことができれば、緊急信号の伝達方法の改善につながるかも知れません。あるいは、もっと高画質の動画をストリーミングで楽しめるようになるかも知れません。研究を通してプログラミングの技術が身に付きます。また、数理科学の訓練を通して先入観から自由になったり、揺るぎない理解に到達することを体験します。つまり目からうろこが落ちます。電気通信大学助手を経て2007年より現職。情報理論とその応用の研究に従事。システムエンジニアの経歴も持つ。情報伝送を数理科学で解き明かし、⼈知の及ぶ限界を⾒極める電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】子供の頃、パソコンでいろいろプログラムを書いて夢中になって遊んでいました。再帰呼び出しのアイデアに気づき、迷路を解くプログラムに応用したとき、私は中学生でした。その後高校大学と進むうちに、プログラムの背後には数学的構造があることを知るようになりました。学部を卒業してから情報と数学の関係に強く興味をもち、研究の道に進みました。子供の頃から培ってきたプログラミングの力が研究に役に立っています。悟性のないところに情報は存在しない。情報の本質はデジタルであり、不連続である。情報の本質は数式の向こうに透けて見える学生は各自が個別の研究テーマに取り組んでいる。だからこそ仲間からの率直な意見は貴重である。親睦も深めなければ•着払いコスト付き通信路符号化•順序保存性のない算術符号の構成•ラテン方陣に基づく符号52

元のページ  ../index.html#54

このブックを見る