工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード較正技術・遠隔検知・計測器開発・レーザーセンシング・宇宙線物理学•宇宙線観測の支援技術の開発•魚眼レンズ搭載のCCDカメラによる夜間天候の研究•赤外線カメラによるくもモニターの開発•レーザー装置による大気透明度の研究•ドローンを用いた大型望遠鏡の性能計測方法の研究•新型望遠鏡の開発および完全自動観測技術の開発•「テレスコープ・アレイ実験」(他大学との国際共同実験)•「JEM-EUSO実験」(他大学との国際共同実験)•大気蛍光望遠鏡の自動観測を目指した夜間雲量測定用CCDカメラの開発と解析(東京大学宇宙線研究所共同利用研究費)•大気蛍光望遠鏡の較正ための大気透明度計測(東京大学宇宙線研究所共同利用研究費)•ラジコンヘリコプターによるTA大気蛍光望遠鏡キャリブレーション(東京大学宇宙線研究所共同利用研究費)•大規模宇宙線大気蛍光望遠鏡アレイのための簡易蛍光望遠鏡開発(科研費挑戦的萌芽研究・他大学との共同研究)•可変波長中赤外線レーザーによるレーザーレーダーを用いた火山性ガスの遠隔検知の実現(科研費若手B)•テレスコープアレイによる超高エネルギー宇宙線のエネルギースペクトル異方性の研究(科研費若手A:分担)•『飛行型標準光源による世界最高レベルの精度での宇宙線観測の実現』(科研費若手B)最近の研究トピックス宇宙線観測活動の補助のために比較的安価なCCDカメラに魚眼レンズを搭載して、全天の夜間雲量モニターの開発し、国際共同実験であるテレスコープアレイ実験に採用・導入されました。本システムは雲ではなく写り込むの星を天体のカタログと対応づけて遮蔽物の有無を判断します。これにより上空の雲、霧など状態が確認できます。画像に写り込むと期待される星と実際に写り込んだ星の比率から雲量を推定し、夜間天候を判断します。これらの天候データは、研究グループのローカルネットで可視化、共有化されており、ユーザーに観測活動の開始終了などの判断に使用されます。撮影、データ転送、解析、可視化の全ては自動ですので、様々な野外における夜間活動を補助可能なシステムです。撮影システムの外観と内部:簡素な作りとして安価に目的を達成しました雲量可視化・共有システムの情報例助教冨⽥孝幸研究から広がる未来卒業後の未来像冨田研究室では、宇宙から飛来する放射線である宇宙線を観測するための国際共同実験に参加しています。宇宙線の中には時速60kmの野球ボールに同等の極めて高いエネルギーを持ったものがあります。そんな超高エネルギーの宇宙線は山手線ほどの面積ですら年に1個程度しか飛来しません。その貴重なイベントを確実に捉えて解析するためには、正確な観測装置・観測支援装置や解析が必要となります。工学的な発想を武器に様々な装置やその解析手法を開発し、宇宙線の謎に迫っています。超高エネルギー宇宙線は、銀河磁場中でも直進できるほどのエネルギーを持っているため、起源天体の解明が期待できます。冨田研究室では、望遠鏡の開発や画像処理など工学部で学ぶことを基礎として“工学的なアプローチでより正確な超高エネルギー宇宙線観測の実現”が研究目標です。文字数:約170文字使用フォント:MS明朝-7pt記述スタイル:「です・ます」調三人称表記超高エネルギー宇宙線の研究では、多くの人が関わって推進されています。国内外の研究者や技術者と議論や交流を頻繁にあり、工学の知識のみならず理学的な知識も獲得できます。国際共同実験のため文化や優先事項などの違いを体感できます。このような体験が社会へ出た際には活かされます。文字数:約100文字使用フォント:MS明朝-7pt記述スタイル:「です・ます」調三人称表記理化学研究所特別研究員、を経て、2014年より現職。研究分野は較正技術・レーザーセンシング。特に、観測実験における検出器や観測環境の評価装置など宇宙物理実験に使用する装置の開発である。Observation Technology for Cosmic-ray:宇宙観測を推進するのは技術だ︕電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】大学で研究室に入って、チャレンジさえすれば可能性が無限にあることがわかって、研究生活の魅力に気がつきました。工学部で研究に従事するうちに徐々に明確な目標が定まり、いまの僕の研究は宇宙線物理学の実験をを支える装置開発やデータの保証です。超高エネルギーな宇宙線の観測には、3m望遠鏡が数十台も必要だ望遠鏡の向いている方向を0.1度の精度で確認できるのは飛行型光源装置だ50

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