工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード画像・信号処理・カラー画像処理・復元処理・成分分離・数値最適化•カラー画像処理、カラー画像特有の性質を利用した画像処理•他分野への画像処理アルゴリズムの応用(無線通信やコンピュータビジョン)•画像認識で用いられる基幹アルゴリズムの改良•「小切手からの磁気インク文字読み取り」(民間企業との共同研究)•「画像処理による欠陥検査」(民間企業との共同研究)•「画像復元処理における局所領域ごとの逆問題解法および特異値分解の高効率計算法の開発」(科研費基盤C)•「平城宮・京跡出土木簡とその歴史環境のグローバル資源化」(科研費基盤A 分担)•「木簡など出土文字資料の資源化のための機能的情報集約と知の結集」(科研費基盤S 分担)•「文書解析・認識オープンソースOCRopusへの数式認識モジュールの組み込み」(科研費基盤C 分担)•「文字列上のビット並列法を利用した高速木パターン照合アルゴリズムの開発」(科研費基盤C 分担)最近の研究トピックス深層学習など機械学習に基づく画像処理が普及し、ノイズ除去や超解像のような比較的単純な課題においては、良い処理結果が得られるようになりました。一方、困難な課題として、広い範囲で非一様に生じるボケの除去、及び、窓ガラスに写り込んだ写り込みなどの成分分離などが残されています。弊研究室では、成分分離に興味を持ち、その解決に取り組み始めています。(はっきりとした)パタンが写り込んだ画像であれば、その影響できる方法を信号処理の国際会議にて発表しました。このような方法の処理精度と処理速度の向上を目指しています。(参考URL: https://ieeexplore.ieee.org/document/8081465)弊研究室は、信号処理と画像処理の他にも、それらに関連する基幹的な計算方法、問題のモデリング方法、問題解決アルゴリズムの設計などを扱っています。そのため、他分野の研究室からの依頼を受けて、他研究室の課題の解決方法をアドバイスするなどの協力も行っています。准教授⽩井啓⼀郎研究から広がる未来卒業後の未来像夜の星空やホタル舞う幻想的な景色を撮影したけど、思うように写っていなかった。そういう経験はありませんか?暗い場所での撮影は難しく、ノイズが発生しやすくなります。一方、フラッシュを使えば写りはするものの光量の調整が難しく、景色の色合いは白く薄れがちです。でも画像処理を使えば、フラッシュ画像の模様と普通に撮影した画像の色合いを合成して、綺麗な画像を作り出すことが可能です。白井研究室では、人の目で見た景色の「画質」や「臨場感」の再現を目的として、画像処理の研究を行なっています。解決すべき課題として、影や光の反射で見難くなった部分を戻したり、ガラス越し写真の映り込みを消したりなどがあります。これらを解決できれば、更に画質が向上し、その応用分野である画像認識を用いた防犯セキュリティーシステムや、ロボットによる人間の代理行動などの精度も向上していくと考えられます。画像処理というとカメラメーカーを連想しますが、画像処理や画像認識の需要は産業界全体に広がってきていて、電機メーカーや車メーカー等に卒業生を排出しています。また、ゲーム業界などのエンターテイメント分野に進む卒業生もいます。慶応義塾大学博士課程を経て、2006年より助教、2017年より現職。研究分野は画像処理や3D形状処理といった多次元信号処理。暗闇や逆光でも綺麗に撮影。失敗しても後から修正電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】4年生で研究室に配属されてから画像処理や必要となる基礎学問の面白さにハマりました。1年生の頃に習った微積や線形代数、他学科の数理最適化、扱えるようになれば処理方法に幅が広がります。方程式を解く際の数値計算の仕方によって画質や処理速度が変わるのも面白いですね。画像合成によるノイズ除去フラッシュ画像(左)の模様とノンフラッシュ画像(中央)の色合いを合成して作り出された画像(右)情報が欠落した画像データ(左)からの画像の復元(右)画像のもつ特徴をうまく定式化し、方程式を解いていくと、より綺麗に色ムラを抑えつつ復元できる44

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