工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード⾼周波磁性材料・磁気デバイス・磁気センサ・⾼周波電⼒変換・電源システム•超高周波鉄系メタルコンポジット鉄心材料金属磁性微粒子/樹脂コンポジット、磁性微粒子表面処理、材料評価技術(磁区構造、磁化特性、複素透磁率、鉄損など)•超高周波電力変換用リアクトル/トランスデバイス特性解析/設計技術(三次元高周波電磁界解析)、表面実装デバイスの試作/デバイス評価•超高周波スイッチング電源モジュール共振ソフトスイッチング、回路設計/試作/評価•その他磁気技術の航空宇宙システムへの応用など•光プローブ電流センサの開発;JST京都スーパークラスタープロジェクト研究テーマ(FY2013~FY2017)•SiCパワーエレクトロニクス用鉄系メタルコンポジット鉄心材料の開発;JST京都スーパークラスタープロジェクト研究テーマ(FY2013~2017)•SiC/GaNパワーデバイスMHz帯スイッチングDC‐DCコンバータの先導研究;NEDOプロジェクト(大阪大学と連携)(FY2015~2016)•LSIパッケージ集積化電源の開発;STARCプロジェクト(分担)(FY2015~2017)•鉄系メタルコンポジットバルク鉄心材料とギャップレスリアクトル・トランスの研究開発;科研費、基盤研究(A)(FY2015~2017)•100MHzスイッチング電源用磁心材料開発、JST未来社会創造事業低炭素領域(FY2017~)•BeyondMHz帯電力用扁平磁性粉末積層コンポジット磁心材料の磁化機構の解明、科研費、基盤研究(B)(FY2019~2022)最近の研究トピックス(1)高周波電力用磁性材料のベンチマークであるフェライト系材料を置き換える微細金属磁性粉末コンポジット材料を開発・キャスティング法によるメタルコンポジット磁心の作製技術を確立・微細金属磁性粉末の高抵抗被膜形成技術を確立・MHz帯における磁心損失をベンチマークであるNi‐Znフェライトの1/3以下にFe系アモルファス磁性粉末表面への高抵抗被膜形成技術(コンポジット化した際の渦電流を微細粉末内部に局在化させることで低損失化を実現)(2)メタルコンポジットバルク磁心インダクタ/トランスを開発・カップルドインダクタを試作し、二相スイッチングコンバータに適用、サイコロ4個のサイズで1V・30A(30W)出力が可能、最高効率93%!・5MHzスイッチング共振コンバータ用リーケージトランスを開発、トランスの伝送電力体積密度90W/cm3超、効率97%以上を達成(3)超小型電源モジュール用パワーインダクタ内蔵有機インターポーザを開発・磁性コンポジットシートラミネーション/厚膜銅メッキによるビルドアップ工程によりパワーインダクタの三次元実装技術を確立・20MHz動作BucKコンバータに適用教授佐藤敏郎研究から広がる未来卒業後の未来像低炭素社会の実現を目指したアプローチとして、発電から電力消費に至る様々な電力変換過程で生じる電力損失を減らして電気エネルギーの効率的な利用を目指す取り組みが活発になっています。佐藤・曽根原研究室では、電力変換システムの小型軽量化や高効率化のボトルネックになっている磁性材料や磁気デバイス(インダクタやトランス)の課題の解決を目的に、革新的超低損失/高周波磁性材料の開発と磁気デバイスへの適用、ならびに電源システムへの応用に関する教育・研究を行っています。現在、水野研究室、宮地研究室、さらには大阪大学・舟木研究室と連携して複数のプロジェクト研究を推進しています。AIやIoTが全世界に普及、していくと莫大な電気エネルギーが必要になると予想されています。電気エネルギーの高効率利用技術は持続可能なエネルギー利用社会を支える基盤技術として、今後、益々重要になっていきます。研究室では、材料開発からデバイス試作、回路システムへの実装・評価を一貫して推進し、川上から川下に至る経験とスキルを身に着けることができます。卒業後は大手電機メーカー、電子部品メーカー、電力、鉄道、研究機関など幅広い分野で活躍しています。1989年3月千葉大学大学院博士課程修了後、東芝総合研究所、同社半導体事業本部LSI技術部を経て、1996年9月信州大学工学部助教授。2005年4月より現職。研究分野は高周波磁性材料/デバイス/センサの開発と各種電源システムへの応用。Toward Low-Carbon Society︕磁気技術によって低炭素社会の実現に貢献︕電⼦情報システム⼯学科【私の学問へのきっかけ】学生時代の卒業研究はSi-MOS界面物性の研究がテーマでした。修士課程・博士課程では、現在に繋がる高周波電力用磁性材料の研究を行い、その後の民間企業勤務では磁気を専門としつつ、半導体分野やシステム分野と連携して仕事をしていました。炭化ケイ素(SiC)や窒化ガリウム(GaN)パワー半導体の登場によってシリコン(Si)パワー半導体では困難であった電源システムの小型軽量化・高効率化が可能になったものの・・・、さらなる進展のためには革新的な低損失/高周波磁性材料の開発が必須!!高感度磁力計を用いて磁性材料の磁気物性を評価する研究室学生緊迫した研究室ゼミの様子冬のスキー合宿41

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