工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード•チタン酸塩結晶のフラックス育成と重金属イオン吸着除去への応用•層状遷移金属酸素酸塩結晶を用いた放射性核種の選択吸着除去•無機イオン交換体を用いたリチウムイオンの選択回収•カーボン-層状無機化合物ハイブリッド材料の作製と応用•フラックス法によるアニオン交換体の作製と吸着特性の解明•分子動力学法によるイオン選択交換挙動の解明•平成30年度JST COIプログラム若手デジタル(FS) 量産条件導出モデル構築に向けたフラックス法のプロセス工学的手法の有効性調査とAI活用の可能性検討(明治大学金子先生との共同研究)•第一原理分子動力学法を用いた層状チタン酸塩のイオン交換挙動の解明(Lawrence Livermore National LaboratoryTuanAnh Pham博士との共同研究)•フラックスコーティング法による機能性結晶薄膜作製と電気化学的応用(Wollongong大Gordon Wallace教授との共同研究)▼Ti,Nb系窒化物ナノシートの作製とその電池電極材料への応用(JSPS 研究活動スタート支援)▼食塩を用いるフラックス法を利用したリチウムイオン選択吸着材の開発(ソルト・サイエンス研究財団奨学寄附金)▼アモノサーマル法による炭化物・(酸)窒化物ナノシートの作製と電気化学反応への応用(徳山科学技術振興財団奨学寄附金)▼高機能性無機結晶を用いた排水・環境水からの稀金属イオンの選択回収(鉄鋼環境基金奨学寄附金)准教授林⽂隆研究から広がる未来卒業後の未来像林研究室では手嶋・是津・鈴木(清)研究室とともに、アクアイノベーションを実現する機能性無機結晶の研究に取り組んでいます。具体的には、海水から選択的にリチウムなどの希少有用資源を回収する、あるいは放射性核種などの汚染物質を選択的に吸着除去する材料を研究しています。固体化学を基盤として、ナノ空間構造をデザインすることで無機結晶の機能を極限まで引き出します。また、最先端計算科学手法や先進計測技術を駆使して、材料のもつ不思議な機能を明らかにしていきます。国内外の研究者と積極的に連携し、実現困難な課題の解決や新しい学問分野の開拓に挑戦しています。無機合成法(フラックス法、水熱法等)を駆使して、多様な機能性無機結晶を育成しています。持続可能な開発目標(SDGs)を実現する材料研究に日夜奮闘しています。最先端の分析機器を利用して独自のデータを取得します。イオン交換体・選択吸着をキーワードに機能性無機結晶の育成とそれらを用いた環境浄化・資源回収に係る化学が学べます。卒業後は環境・エネルギー関連分野を中心に、幅広い分野で活躍することが期待できます。東京工業大学で博士(工学)を取得後、東京工業大学博士研究員・特任助教、信州大学助教を経て、2019年より現職。研究分野は、材料科学、吸着・触媒科学、イオン交換体。SelectiveCaptureofMetal Ions :⾦属イオンを、選択的に、キャッチする︕【私の学問へのきっかけ】高校生のころに環境問題に興味をもちました。問題の解決にどれだけ貢献できるか分からないけれど、一生懸命挑戦してみようと奮い立ち、大学・大学院に進学しました。良き指導者・先輩・仲間に巡り会えたことが今の自分の礎になります。研究の醍醐味は、世界で誰も答えを知らない問題に対して自分のアイディア一つで挑戦できること。狙ったとおりの結果が得られたときは身震いするくらい感動します。物質化学科(上図)一、二、三次元ナノ構造をもつ無機イオン交換体の結晶構造(下図)フラックス育成したK2TiSi3O9、Na2Ti3O7、LiMn2O4結晶の走査型電子顕微鏡写真。高品質な無機結晶が得られるため、材料のもつ性能が最大限に発揮される(左図)顕微ラマン分光測定装置(右図)ホール効果・比抵抗測定装置。最先端の分析機器を用いて無機結晶の構造や物理特性を評価できる環境浄化・資源回収・イオン交換・選択吸着・SDGs・計算科学最近の研究トピックス22

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