工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード分⼦変換・反応開発・選択的反応・触媒反応・触媒設計・有機触媒•ホスホニウムイリドの合成、構造、反応•ホスホニウムイリドの触媒能探索•ホスホニウム塩の合成、構造、反応•ホスホニウム塩の触媒能探索•二酸化炭素固定化反応の開発•水素結合ドナー・ホスホニウム塩複合型有機分子触媒の設計開発(科研費:若手研究B)•ホスホニウムベタインを用いたデザイン型マルチ機能触媒の設計(科研費:研究活動スタート支援)•「遷移金属/有機分子」二成分触媒系の開発による高度分子変換(科研費:特別研究員推奨費)•有機合成化学協会研究企画賞(日本触媒)•服部報公会工学研究奨励援助金•本多英五郎研究助成•若里会研究助成•「金属/酸」ハイブリッド触媒系における双極性化合物の立体選択的反応の開発(科研費:基盤研究C分担)•計算化学的スクリーニングを利用した有機分子触媒反応の設計および開発(科研費:基盤研究C分担)最近の研究トピックスJST新技術説明会(2018年8月9日開催)「環境低負荷な有機触媒」で発表しました!→東京化成工業株式会社から試薬化に成功!テトラアリールホスホニウム塩(TAPS)触媒を用いた常圧下での二酸化炭素固定化を利用した環状カーボネート合成をメインテーマに「有用物質の効率的合成」と「新規有機触媒の開発」を行っています。RecentPublications:Org.Lett.2017,19,5786;ACSCatal.2017,7,6150;ACSCatal.2016,6,6906;J.Am.Chem.Soc.2016,138,11038;J.Org.Chem.2015,80,6687;J.Am.Chem.Soc.2014,136,14734;Chem.Sci.2014,5,3515;J.Am.Chem.Soc.2014,136,7044;Angew.Chem.Int.Ed.2014,53,235.量子化学計算を利用した反応機構の解析准教授⼾⽥泰徳研究から広がる未来卒業後の未来像戸田研究室では、新しい分子の設計・開発を行っています。医薬品・農薬などの原料となる低分子から材料化学に利用される高分子まで、身の回りには有機化合物がありふれています。「分子レベル」でのものづくりにおいて有機合成化学はその根幹を成す極めて重要な研究領域です。現代の有機合成化学はものづくりのツールにまで成熟しましたが、この分野のさらなる発展には「常に新しい分子をつくり、その性質を理解する」ことが不可欠です。未知である分子のふるまいを理解する方法として触媒反応に着目し、新規触媒反応系の開発に取り組んでいます。「触媒」は化学反応を自在に制御し、欲しいものだけを「選択的に」得る方法を与えてくれます。選択的な反応の開発は有機合成化学者に課せられた使命であり将来の化学界を考えれば、学術界のみならず関連産業にも大きく寄与するものと考えています。有機合成化学はものづくりの基本的な技術を習得するため幅広い分野で活躍することができます。研究活動を通して化学系・製薬系の企業はだけではなく様々な分野において必要な能力を伸ばすことができるものと考えています。東北大学理学部化学科卒、同大学院理学研究科化学専攻博士前期課程修了、同博士後期課程修了。博士(理学)。米国ヴァンダービルト大学博士研究員を経て2015年4月より信州大学工学部助教。2020年4月より現職。専門は有機合成化学。新しい分⼦をつくり、触媒反応を通してその性質を理解する【私の学問へのきっかけ】化学は高校生の頃から漠然と好きでしたが、とりわけ有機化学に興味があったわけではありません。きっかけは、学部3年生の後期に有機系の研究室に配属されてからです。最先端の研究に触れ、先輩がひたむきに研究している姿に強く感銘を受けたのを覚えています。それからは有機化学を通したものづくりの世界に魅了され、自分なりに分子を設計し、何か新しい反応を開発できればと思うようになりました。現在は、研究の面白さと難しさを伝えていきたいと考えています。物質化学科何度も何度も反応を検討し条件を最適化していく。オイルバスを使い、反応の温度を一定に保っている分析装置(高速液体クロマトグラフィー)を用いて、反応の選択性を調べている20

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