工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード吸着剤・触媒・気相反応・⽔熱合成・省資源•磁石で回収可能な吸着剤・触媒の合成•水に浮かぶ光触媒粒子の設計•中空カプセルの合成と省資源型触媒の設計(水蒸気改質・VOC酸化分解・固体酸触媒など)•有機ポリマーと無機化合物との固相ブレンド(加熱混練)•水熱合成(回転式水熱反応装置)•粘土鉱物の吸着剤・触媒応用•光学分割用カラム充填材の設計•フリーズドライ技術による微細繊維状エアロゲルの調製•ポリ塩化ビニルの低温脱塩化水素技術と有効利用法開発•分離・反応における省資源化を目指した層状結晶デザイン(科研費基盤C)•天然物のみで構成するVOC用光学センサーの設計(科研費挑戦的萌芽)•磁石で回収可能な金属イオン吸着剤の開発(JST A-step)•廃プラから超純粋炭化水素へ変換する炭素循環法の開発(JST ALCA探索)•球状シリカマイクロ粒子とスメクタイト微結晶の複合技術開発(公財コスメトロジー研究振興財団)•様々な環境下で安定な磁性体の調製(公財日本板硝子材料工学助成会)•粘土鉱物を用いたカフェイン除去の効率改善(民間企業との共同研究)•液体中の金属イオン除去技術の研究(民間企業との共同研究)•化粧品用色材開発(民間企業との共同研究)•廃棄ポリ塩化ビニルの脱塩化水素化と有効利用法の開発(民間企業との共同研究)最近の研究トピックス迅速かつ連続的に混合物から分離する、あるいは反応を触媒することのできる素材開発に取り組んでいます。例えばコロイド状の粒子表面に、吸着・触媒活性な物質を薄く均一にコーティングすることで、必要な活性種の量を削減できるとともに、流通に用いる溶媒やガスの量を削減することが期待されます。吸着剤や触媒担体に限らず、最近では化粧品顔料などへの応用にも取り組んでいます。准教授岡⽥友彦研究から広がる未来卒業後の未来像吸着剤や触媒は,わたしたちの生活に役立つ物質として知られています。例えば,吸着剤は有害な有機化合物を効率良く除去することができますし,酸化チタンなどの光触媒は有害有機化合物を太陽光で効率良く分解してくれます。固体の触媒にはこの他にも天然ガスから水素を効率良く製造したり,身の回りの化成品を生産するなど多方面で活躍している物質です。当研究室では,このような吸着剤や触媒の性能を格段に向上させ,省エネ・省資源化に貢献する研究をすすめています。身近な自然現象は実は複雑で未だわからないことがたくさんありますが、この中に画期的な吸着剤や触媒を開発するヒントは眠っています。幸いにも多くの先端的分析機器を利用できる環境にありますので、この恵まれた環境で、分野を超えて様々な研究者と協力しながら、誰も思いつかない発想で高性能な材料をつくっていきましょう。化学に限らず、電気、機械分野においても新しい素材づくりには化学の知識、そして素材の性質を調べるための分析技術が必要です。これらをバランス良く学びながら、素材の本質を掴む方法を身につければ、研究開発の中核を担えることになるでしょう。特に修士課程修了生は、化学・材料系での研究・技術開発職で活躍しています。早稲田大卒後博士(理学)を取得し、早稲田大助手、信州大助教を経て2015年より現職。専門分野は材料化学、表面化学、特定の分子が吸着・触媒される物質表面に興味を抱き研究を展開中。省エネ・省資源に役⽴つ吸着剤・固体触媒【私の学問へのきっかけ】私は高校では化学と地学が好きでした(他はさっぱりだめでしたが。。)大学に進学する目的は高校の理科教員になるためで、一浪を経て大学進学し、教員免許を取得しました。卒業研究では「化学」の研究室を選び、大学院で研究をすすめていくうちに、教科書に書かれていることを教えるよりも、将来教科書に載るような仕事が魅力的であると感じ、この世界に入りました。物質化学科頑丈なシリカカプセルにコバルトナノ粒子を閉じ込める:シリカの表面(右下の電子顕微鏡像)に吸着・触媒活性成分を塗ると、磁石で回収可能な吸着剤・触媒になる天然ガス改質触媒の活性試験装置(上):固体触媒の研究では、触媒を独自に合成するだけでなく、活性試験の装置を組み立て、触媒性能を明らかにする。世界的にも新しい素材が発見できれば、国際学会で発表できる機会もある(下)17

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