工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード•科研費基盤研究(S)「DNAソフト界面の特性を活かしたバイオマテリアルの創製」(2013-2017年度)代表(前田教授)•科研費新学術領域研究「ソフトインターフェースの分子科学」(2008-2012年度)領域代表者(前田教授)•科研費基盤研究(C)「DNAブラシ界面間における特異な相互作用の発現に対する水和状態の寄与評価」(2014-2016年度)代表(金山准教授)•科研費基盤研究(C)「DNAブラシ界面間力の表層構造依存性に基づく水和スイッチの創出」(2017-2019年度)代表(金山准教授)•科研費基盤研究(B)「固液界面現象解明のための溶液化学反応における電子状態ダイナミクス計測開発」(2017-2019年度)分担(金山准教授)•H29年度生体医歯工学共同研究拠点共同研究プロジェクト・代表(金山准教授)•機能性高分子テープの開発・実用化研究(民間企業との共同研究、金山准教授)ナノ粒⼦・DNA・ポリマー・表⾯・界⾯・バイオ計測・バイオマテリアル•ナノ粒子やミセルの調製およびキャラクタリゼーション•機能性ポリマーの合成およびキャラクタリゼーション•機能性ソフト界面の構築およびキャラクタリゼーション•DNAナノ粒子を使った診断・計測法の開発•人工材料と生体材料の複合化技術の開発•光ピンセットを使ったソフトマターのナノ・ピコ力学評価最近の研究トピックス研究者・技術者を目指す理系人材の育成をサポート!DNAに秘められた「力」を追求する&役立てる!私たちは最近、特定の条件下で二本鎖DNAの末端間に発生する引力の存在を明らかにしました(Langmuir2016 & 2018)。現在、このDNAに秘められた力の起源を追求しながら、新しい遺伝子診断法(ChemistryOPEN2016ほか)やナノ材料集積化技術(Small2017)などに応用する研究にも取り組んでいます。理系学生が理研の事業所を訪問し、最先端研究施設の見学や現在活躍中の研究者との対話等を通じて、研究者・技術者としての働き方や考え方を学ぶ機会(連携講義、見学会)を提供しています。また、理研と信大の研究交流を目的とした講演会やシンポジウムを開催しています。Langmuir2016(ACS Editor’sChoice)ChemistryOPEN2016(Front Cover)Small2017(Inside Front Cover)113番元素(Nh)が発見された仁科加速器センターの見学風景研究支援部門信⼤ー理研連携研究室研究室所属教員研究から広がる未来准教授金山直樹博士(工学)(東京工業大学)科学技術振興事業団CREST研究員、名古屋大学助手、筑波大学講師、理化学研究所研究員などを経て2016年より現職。専門は生体関連高分子材料、コロイド・界面化学。教授前田瑞夫工学博士(東京大学)東京大学助手、九州大学助教授、同教授を経て2001年より理化学研究所主任研究員。2016年より信州大学教授を兼任。専門は高分子化学、分析化学、バイオマテリアル。当研究室は、信州大学と特定国立研究開発法人理化学研究所(以下、理研)の連携・協力協定に基づき2016年に開設されました。理研は、1917年(大正6年)に創立された日本で唯一の自然科学の総合研究所であり、物理学、工学、化学、数理・情報科学、生物学、医科学などの幅広い分野の研究が行われています。私たちの研究室では、金属ナノ粒子や合成ポリマーなどの人工材料と核酸やタンパク質などの生体材料を化学のチカラで融合した「バイオ機能材料」の開発を通じて、ライフサイエンスや分析・診断技術への貢献を目指した研究課題に学生が中心となって取り組んでいます。「⽣物と物質のあいだ」の不思議な世界を化学の視点で眺め新しいモノ・コト作りに活かす︕核酸・タンパクペプチド・糖など合成⾼分⼦・ナノ粒⼦無機・⾦属材料化学的な⼿法で両者を融合した「バイオ機能材料」の開発・評価ライフサイエンス(遺伝⼦治療・診断・イメージング)材料化学・界⾯化学(ナノマテリアル・ソフト界⾯)分⼦システム(分析・計測・制御)⼈⼯材料⽣体材料DNAを上手に利用すれば、ナノスケールの材料を意のままに操る道具になる!世界に先駆けて超高齢社会に突入しつつあるわが国では、今後、ますます増加・多様化が予想される医療ニーズに対して、医療の効率化・最適化を図りながら、予防医療・先制医療を実現するスマートなヘルスケアシステムに変革していくことが求められています。例えば、解読が完了して機能解析が進行中のヒトゲノムにおいては、遺伝子の特定の箇所における僅かな配列の違い(一塩基多型:SNP)が疾患の発症リスクや薬剤の感受性に関与していることが明らかになってきています。個人のSNP情報に基づいた「テーラーメイド医療」の重要性が謳われて久しいですが、世界中の誰もがSNP診断の恩恵を受けるために必要な簡便で安価なデバイスは未だに実現されていません。私たちの研究室では、人工材料と生体材料を化学のチカラで融合したバイオ機能材料の研究を通じて、次世代医療の抱える課題にも挑戦しています。132

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