工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード数値シミュレーション・銀河形成・進化・超新星爆発・銀河アウトフロー・銀河周辺物質グローバル教育・ProfessionalCommunication•銀河アウトフローによる、高重元素率、高鉄密度、MgII雲の形成•銀河アウトフローと銀河周辺物質間の乱流混合領域と高イオン分布•超光度銀河における宇宙線による銀河アウトフロー•超光度銀河における銀河アウトフローと冷たいガスの運動•矮小銀河からの電離放射の脱出と宇宙再電離の歴史•初期宇宙の矮小銀河からの宇宙論的フィードバック•Global Café 現実グローバル問題解決とグローバルコミュニケーション力育成•American Museum of Natural History (U.S.A.)•Pennsylvania State University (U.S.A.)•University of California, Santa Barbara (U.S.A.)•University of Edinburgh (UK)•Galactic Outflow Production of Multiphase Gas in the CircumgalacticMedium (科研費基盤C)•大学で学生に自主企画させる物理学教育方法と評価法の開発(科研費基盤C)最近の研究トピックス背景放射による吸収線分析によると、銀河円盤からその大きさの何十倍も離れた銀河周辺には、数多くの小さく冷たい雲(MgII)があり、その周りには広範囲にわたりコロナガス(CIV, OVI, etc)があるようだ。重元素は円盤状の星が形成する。よって銀河円盤からの大スケールな銀河アウトフローが重元素を運び、周辺のガスと相互作用した結果、MgII雲やコロナガスが形成されると考え、初期宇宙の矮小スターバースト銀河における銀河アウトフローを高解像度でシミュレーションし、分析している。右図は銀河円盤から32万光年離れた場所における流体的不安定によりフラグメント化した雲を示す。講師藤⽥あき美研究から広がる未来卒業後の未来像藤田研究室では、スーパーコンピュータを使い、銀河の形成と進化を計算しています。銀河は星のホーム:星は生まれ、輝き、超新星爆発をおこし自らを吹き飛ばして一生を終えます。度重なる超新星爆発によるガスのアウトフローを計算し、このアウトフローがガスの冷却と星形成、次世代銀河形成に与える影響を研究してます。銀河とは、星が形成される銀河円盤の数十倍の大きさに広がる、重力で束ねられた領域です。この「光を発さない」銀河周辺領域でのアウトフローの影響も計算しています。アウトフローが銀河の進化の鍵を握っていると考えるからです。近年、高性能コンピュータの進歩に伴い、宇宙の諸現象、そして過去から未来までも計算できるようになりました。物理法則に基づく計算は、観測では見えない現象や構造を予測し可視化します。私たちは星で作られた「星の子」です。銀河のストーリーは生命の、私たちのストーリーなのです。自分の好きなことを見つけ、好きなように生きるのがベストです。卒業生の中には一般企業に就職した者、山で宇宙と哲学を考えている者もいます。論理的+クリティカル思考、グローバルコミュニケーション力、さらにプログラミングスキルを養うので、情熱さえあれば何でもできます。銀河は⽣命の、我々のホーム︓銀河の進化をスーパーコンピュータで探求【私の学問へのきっかけ】中1の夏、アメリカでホームスティをして以来、外から日本社会・教育を客観的・批判的に見るようになった反抗児が、社会、教育、人間の存在は?どこから?理由は?、なぜ、なぜ、と悩んだ末に行き着いたのが宇宙でした。そして宇宙に最も近いアメリカへ飛び立ちました(ニューヨークに憧れていたパンクな反抗児でもありましたが、、、)。宇宙を支配する物理法則は、理解すればするほど、若き頃の「なぜ?」に対する「答え」なんてないことに気づき、平和が訪れるのです。⼯学基礎部⾨コロンビア大学博士課程修了後、カリフォルニア大学(SB), マックスプランク天文学研究所で研究。第2子誕生後、宇宙と子供を天秤にかけ子供を選ぶ。が、長年のブレイクからカムバック!研究分野は天文・宇宙物理学、グローバル教育度重なる超新星爆発が銀河円盤からガスを吹き出す=銀河アウトフロー(下:シミュレーション、上:M82)運動値、熱状態、電離・イオン分布など、理論と観測を比較しながら真理を追求する128

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