工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワードパッシブデザイン・熱環境適応・健康・省エネルギー•建物温熱環境の計測、評価•建築環境工学の基礎理論の講義▼外部資金•ERCA, 環境研究総合推進費, 気候変動適応を推進するための情報デザインに関する研究, 2019-2021•科研費若手B, 地球温暖化下の住宅居住者の暑熱適応の効果定量化と限界の把握, 2017-2019最近の研究トピックス地球温暖化の影響により、建物室内の熱ストレス増加が懸念されます。これまで住宅を対象に、室内温熱環境の受容範囲と限界領域について、実態調査を進めてきました。最近は、非住宅である学校や高齢者施設に対象を広げ、建物居住者の熱環境適応と省エネルギーのトレードオフ関係に取組んでいます。図は単純モデルの非定常熱解析の一例、夏季冬季の温度分布です。助教中⾕岳史研究から広がる未来卒業後の未来像自然環境を活用した省エネルギー設計に取り組んでいます。•建物居住者の熱的快適性と暑熱・寒冷について分析し、快適・限界と感じる温熱環境を検討しています。居住者の熱ストレスに対する適応能力の定量化が目標です。•建物の熱・湿気やエネルギー消費を実験・計算します。長年かけて残されてきた建築から、現代の設計に利用することが目標です。•パッシブデザインの教育に取り組み、定量的評価に基づいた設計判断ができるように指導しています。建築環境工学は、エネルギーを少なく、快適に暮らすための学問です。建築と設備の技術は進化しています。適切に組み合わせることで、暮らしはよくなります。また古い建物から学ぶことで、自然を利用した設計が広まっていくでしょう。卒業生は大手ゼネコン、大手設備会社(設計、施工、研究所)や公務員に就職にすることが多いです。学生時代に学び方を身に着けて、世の中で着実に頑張っています。名古屋大学大学院生命農学研究科博士課程を修了。大和ハウス工業総合技術研究所、岐阜高専建築学科を経て、2017年から現職。専門は建築環境工学、博士(農学)。⼈と⾃然に配慮した省エネルギー設計【私の学問へのきっかけ】中学・高校時代は理科が好きで、特に物理に興味がありました。私の専門分野「建築環境工学」はかつて「建築物理学」とも呼ばれ、物理を利用して建築や暮らしをデザインする学問です。また「計画原論」とも呼ばれ、設計の基礎理論として発展してきました。建築を注意深く観察すると、沢山の物理現象を発見できるようになり、学ぶことがとても楽しいと感じるようになりました。授業内容の一例です。日影曲線図を利用し、建築パースに日影を立体的に書き込む手順を教えています輝度分布の測定例です。開口部の工夫により、天井を経由して机上面に導光されています建築学科119

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