工学部研究紹介_2021_日本語版
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建築学科■サステナブルビルディング,省エネルギー■既存住宅の断熱診断・改修技術■CFD解析による建物内外空気環境・熱環境の予測■人体温熱快適性・呼吸空気質・ウイルス飛散特性などの検討■新しい空調システムの開発■建物外部の風圧を考慮した都市温熱・空気環境解析■室内汚染問題の解明と換気(自然換気・ハイブリッド換気)技術■室内・外圧力分布の予測のためのネットワークシミュレーション■火災・避難評価を用いた防災設備の検討●2019年04月~2021年03月:商業施設における効果的な省エネ設計・改修手法に関する研究:科学研究費助成事業●2019年01月~2019年09月:寒冷地における浴室の快適性に関する研究:共同研究(長野都市ガス株式会社,東洋計器株式会社)●2018年08月~2019年12月:全館空調システムの室内環境およびエネルギー消費量の実測:共同研究((株)トーエネック,(株)システック)●2018年04月~2019年03月:厨房形態と捕集率の関係調査:共同研究(東京瓦斯株式会社)●2017年11月~2019年09月:室内環境計測および熱的性能評価:共同研究(株式会社ヤマウラ)●2017年07月~2019年03月:木材トレーサビリティの信頼性向上を目指したデータ付加方法の確実化:共同研究(株式会社太田材木店)●2017年04月~2020年03月:建築物環境衛生管理基準の検証に関する研究:厚生労働科学研究費助成事業●2017年04月~2020年03月:受動喫煙による健康リスク低減のための効果的な分煙対策に関する研究:科学研究費助成事業空気環境・換気・通⾵・ウイルス感染・温熱環境・数値流体⼒学【最近研究1】一般商店,百貨店,コンビニエンスストアなどの商業施設は入店顧客を増やすため,店内空調を行っていることにも関わらず,ドアを開けっ放しで営業を行うことが多い。特に都心部の繁華街にはドアもない店舗も多く,省エネ社会の実現に逆行している。そこで本研究はドアの開けっ放し営業が漏気負荷の増加に及ぼす影響を明らかにする。【最近研究2】日本の住宅では在室空間のみをストーブやエアコン,こたつなどを用いて,局所・間欠暖房することが一般的である。これらの暖房方式の問題点は室内温度差によるヒートショックや表面結露によるカビやダニの発生及びこれに起因したアレルギー疾患の発生が挙げられる。そこで本研究は室内温熱環境を改善するために全館空調システムを住宅に導入し,その効果を定量的に検討する。22.422.219.922.322.222.121.919.121.921.714.022.114.815.911.011.9全館空調システム個別空調システム24.012.0TEMP[ºC]16.014.018.020.022.0【最近研究3】日本は毎年31,692人の高齢者(65歳以上)が不慮の事故で死亡しており,その中,住宅内の浴室での死亡者数は6,759人である。本研究はヒートショックが起こりやすい浴室の温熱環境を実態調査によって明らかにし,入浴時の人体の反応を見ることで血圧・脈拍変動と皮膚温度変動を予測する方法を提案する。入浴前入浴中24.7 ºC37.2 ºC35.5 ºC31.4 ºC研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード最近の研究トピックス建築空間内の居住者がより安全で快適な,ゆとりのある生活を可能とするためには,まず建物内外で起こるあらゆる状況を予測・評価し,その上で自然的に解決できない部分に関しては機械面で対応し建物を設計する必要があると考えています。李研究室では,建物内外で起こるあらゆる状況をコンピューターシミュレーションにより予測・評価しており,通風・換気効率評価,室内汚染物質濃度・ウイルス飛散特性予測,熱環境予測/評価,人体温熱快適,省エネ建築(断熱・改修,ZEB),空調システムなどに関する様々な研究を行っています。建築空間内外の居住者がより安全で快適な生活ができるような技術はエネルギーを多く使って地球環境を破壊する恐れがあります。居住者の快適性を損なわず,省エネルギーを達成させる技術開発及び最適設計などを通し,地球温暖化を防止するサステナブル建築を目指しています。建築環境工学理論と物理原理などの理論的な知識・思考力を習得し,問題を見つけて解決する能力,独創力がある論理的な思考を持った人材を育成しています。卒業後は建築環境・空気調和分野のみではなく,論理力を要するどんな分野においても社会貢献ができると期待されます。東京大学工学系研究科建築学専攻博士課程修了。東京大学生産技術研究所特任研究員,東京理科大学工学部建築学科助教を経て,2016年より現職。研究分野は建物通風・換気,空調効率,数値シミュレーションなど。新型コロナウイルス(COVID-19)やSARS,MERSなどの感染症とは,微生物が人に侵入・増殖して症状を起こし,効果的な換気対策が必要→数値解析により,ウイルス飛散特性の定量的な解明が可能となる。建築空間内の居住者がより安全で快適な⽣活を可能とする技術を提案する︕(a) 0.5秒後(b) 10秒後助教李時桓研究から広がる未来卒業後の未来像【私の学問へのきっかけ】幼い頃に引っ越しが多く,戸建て,アパート,マンションなど色んな空間で住んで見たのが建築に興味を持ったきっかけです。人は生活水準が良くなると,住みやすい空間,快適な住環境を目指して住居環境を変えようと思うので,快適な空間はどんなものなのか具体的に勉強したくて建築環境にハマりました。その後,自分の小さな考えが世の中を変化させ,世界平和まで繋がって行くと思い,研究に頑張っています。建築学科(c) 100秒後116

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