工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード環境⼼理学・空間認知・⽇常⽣活・⾏動観察・実空間実験•歩行空間のデザイン•高齢者の外出行動を促進する環境づくり•公共トイレ空間の環境改善•日本の建具デザインに関する実験的研究•人間の行動特性と環境デザインの関係•住み手に魅力的存在であり続ける建物•大規模な建築空間内部における表象生成およびその変容過程に関する検討(科研費(特別研究員奨励費))•日常的な移動行動と安全への意識に関する調査(民間企業の助成金)•寒冷山間地における広域生活圏に積雪が及ぼす影響(財団法人の助成金)•駅舎トイレの清潔性維持に関する学術研究(民間企業との共同研究)•住み手に魅力的存在であり続ける建物の物理的要素と心理的要素の探究(科研費(基盤研究C))•人工物の総合的な強化を促す心理的要因と社会文化的要因に関する一考察(科研費(基盤研究C))•公共空間における表示物の「見落とし」に関わるデザインの研究(輝度と色彩)(科研費(基盤研究C))最近の研究トピックス管理者や利用者のニーズに加えて、地域文化をふまえて机や椅子をデザイン。2010年度から大学院の演習課題として取組み始め、毎年1作品を公共空間に設置。最終案の選考と制作に際しては、地元企業や団体の協力をえている。[須坂市と連携した取組み上段:旧小田切家住宅・下段:市立須坂図書館]准教授柳瀬亮太研究から広がる未来卒業後の未来像人間は自らが過ごす環境を構築するチカラを持っていて、自らがより良く感じられる環境づくりを継続してきています。しかしながら、その目的に根ざして構築された環境が思い通りに機能しないこと、新たな問題を生み出すことは少なくありません。これらの問題について考えるためには、物理的な環境を詳細に調べるだけでなく、心理的(人間の頭の中につくられる)環境の特性を把握して、それらの対応関係を慎重に推察する手続きが欠かせません。柳瀬研究室では、建築空間や都市空間を対象に『人間-環境系に関わる研究』を行っています。上述した研究に取組むにあたっては、人間が知覚・認知している環境について理解を深めることが大切です。知覚・認知システムは、思っている以上にいい加減かつ精巧です。なぜ?どのような条件で?その性質について実験心理学的手法を用いて探求し、より良い構築空間をデザインするために活かす資料づくりが、求められています。総合建設業・設計事務所・ハウスメーカー・行政機関・地方自治体など、自らの希望に応じて、建築に関係する幅広い分野へ就職しています。いずれの分野においても、学際的な視点から建築・都市空間について考えを深める研究経験は役立ちます。2001年、早稲田大学大学院人間科学研究科博士課程修了、博士(人間科学)取得。2002年、信州大学に着任し、現在に至る。専門分野は、環境心理学、認知心理学。日常的に体験する空間を対象として人間と環境の相互作用について研究。より良い環境をデザインするそのために「⼼理的環境」を探究する【私の学問へのきっかけ】思い返すと、小学から中学時代に読んだ本の影響を強く受けたように思います。伝奇や古典、推理もの、SF、ショートショートなど、その中に出てくる機知に富む登場人物だったり、魅力的な描写やワクワクする展開…単純に読書を楽しむことが多かったですが、それらの理由を考えることも同様でした。日々の行動も、何らかの理由があって多様な判断が下されるものです。それについて考えたいという願望が根底にあったのかもしれません。建築学科既存の建物をペイントなどによって疑似的に劣化させて、その質や量に応じた評価データを収集。[地域と連携した活動]スロープの勾配と距離によって生じる車椅子(自走および介助あり)による移動負荷を計測。[施設の利便性の見直し]115

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