工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード建築史・歴史的建造物(⺠家・宗教建築・近代建築)・⼭岳建築・⽂化財・保護(保存・活⽤)・再⽣•歴史的建造物の保護(保存・活用)に向けた調査・研究・有形文化財(登録・指定)・伝統的建造物群・文化的景観•既存建築を活用した建築設計の提案:新旧の融合・再生・リノベーション•歴史文化を活かした地域づくりに関するフィールドワーク・文化遺産の発見・記録・活用・まちづくり/むらづくり•日本山岳建築史の構築に向けた日本アルプスの山小屋建築に関する調査研究(科研費:若手研究B・2009-11年度)•国立公園法の施行を契機とした山岳建築の意匠論とその展開過程に関する研究(科研費:若手研究B・2013-14年度)•小菅の里及び小菅山の文化的景観に関する調査(飯山市・2013-14)•旧小田切家住宅の歴史的建造物調査(須坂市・2015-16)•塩の道ちょうじや(平林家住宅)の歴史的建造物調査(大町市・2015)•神城断層地震で被災した伝統木造建築の記録と保全による山村文化の継承(信大COC事業・2015)•安曇野市における伝統民家に関する調査研究(安曇野市・2016-)•長野県の近代和風建築に関する総合調査(長野県・2016-17)•富士山の山小屋にみる信仰を基盤とした山岳建築の近代化に関する研究(科研費:基盤研究C・2016-)•須坂市須坂地区における伝統的建造物群保存対策調査(須坂市・2018-)他最近の研究トピックス調査の記録用紙:野帳建物の形や寸法など様々な情報を現場で記録する。旧小田切家住宅(須坂市)小菅の里及び小菅山の文化的景観(飯山市)准教授梅⼲野成央研究から広がる未来卒業後の未来像歴史的建造物の調査・研究と保存・再生に取り組んでいます。私たちは、長い時間をかけて、建築の文化を育んできました。地域のなかには、こうした建築の文化を物語るたくさんの歴史的建造物が息づいています。研究では、歴史的建造物の調査を行い、人が、どのような姿の建物を、どのように建ててきたか、さらには、建物がたてられた当初から現在に至るまでの変遷を把握します。こうした調査・研究をもとに、歴史的建造物の保存・再生について考え、地域の歴史を活かした地域づくりの提案を行っています。建築の未来を考える際、先端的な建築と歴史的な建築の双方を見通すことのできる視点が大切です。歴史的建造物の調査・研究は、その基盤になります。古いものを大切にしながら、新しいものを創造する。こうした建築の未来を構想します。歴史的建造物の保存・再生に関わる設計者や技術者、また、地域の歴史を活かした地域づくりの担い手など、幅広い可能性があります。この中には学芸員等の行政職員も含まれます。2002年信州大学工学部卒業、2004年信州大学大学院工学系研究科修了、2007年信州大学大学院総合工学系研究科修了。博士(工学)。2004年信州大学助手、2007年助教を経て、2014年より准教授。専門は日本建築史。建築の歴史をひもとき、地域の未来を構想する。【私の学問へのきっかけ】大学院では、信州のある地域をフィールドに、調査研究を進めていました。この地域には、周囲の山に抱かれて社寺や民家などがたち、美しい山村の風景を形づくっていました。経済性を優先した開発によってこうした風景が失われていくなか、私のなかに自ずと冒頭のテーマが生まれました。建築学科歴史的建造物の調査に向かう。長野県大町市にのこる伝統的な町家(塩の道ちょうじや)。調査を通じて把握した歴史的建造物の骨組みの模型を作成し、理解を深める。114

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