工学部研究紹介_2021_日本語版
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研究シーズ共同研究・外部資⾦獲得実績研究キーワード再⽣可能資源・酵素利⽤技術・⽔熱反応・バイオマス・セルロース・担⼦菌(キノコ)•微生物由来の植物細胞壁分解酵素群の生産•バイオマスの前処理技術(水熱反応、イオン液体など)•バイオリファイナリー技術開発•植物由来の新規糖質の開発•酵素を用いた食品開発•食品の成分分析、機能性食品開発•再生可能資源を利用したエネルギー開発•RISTEX:イノベーション政策に資する公共財としての水資源保全とエネルギー利用に関する研究(文部科学省、実施責任者)•科学戦略費:地域再生人材抄出拠点「ながのブランド郷土食」(文部科学省、実施責任者)•COC事業:信州を未来へつなぐ人材育成と課題解決拠点「信州アカデミア」(文部科学省、実施責任者)•生物系産業創出のための異分野融合事業「セルロ-ス系バイオマスの複合的変換技術の開発」(農水省、代表者)•バイオマス先導技術開発事業「疎水性イオン液体や耐塩性酵素を用いたセルロース系バイオマスの前処理・糖化技術に関する研究開発」(NEDO、機関代表者)•地域資源活用型研究開発委託事業「ソルガムを用いた長野型バイオリファイナリー技術開発」(経産省、代表者)最近の研究トピックス長野市と共同で開発している地域資源循環モデルの概念図耕作放棄地を活用して資源作物(ソルガムなど)を生産し、これを活用した食品開発、材料開発及びエネルギー開発を行い、地域での循環モデルを開発すると共に、地域産業の活性化を図ります。国の食糧自給率やエネルギー自給率の向上と共に、SDGsに貢献します。教授天野良彦研究から広がる未来卒業後の未来像地球上で最も豊富に存在する有機物である糖質を研究対象にしています。セルロースなどの天然高分子は太陽の恵みを受けて固定されたエネルギーの源です。これを利用すれば、エネルギーはもとより、有機材料、または食品素材まで作ることが可能であり、地域、日本あるいは世界の持続的な発展を支えていきます。化学は地味ですが、今日の近代社会の機能性の材料を通して社会に貢献しています。今後はさらに環境に配慮した技術開発が必要となりますので、卒業生の活躍の場は無限です。博士(工学)1995年より信州大学工学部助手・助教授を経て2005年に教授。2018年4月より工学部長専門:生物工学(特に酵素化学)生体触媒の基礎と応用について研究⽣物の機能を活かしたものつくりを︕-遺伝⼦・タンパク質から化学プラントまで-物質化学科天野研究室では、生物化学を基礎として、生物が持つ機能を活かしたものつくりを目指しています。生物には精密な設計図であるDNAとこの情報に基づいて作られるタンパク質があります。この機能性のタンパク質の主体は酵素であり、生体内での複雑な化学反応のすべてにこの生体触媒が関与しています。しかも、生体内の反応はすべて常温常圧で行われているにもかかわらず、非常に早い反応です。この巧みな技を工学的なもの作りに応用すれば、環境に優しいグリーンケミストリーが実現できます。そんな夢の実現にむけて学生と教職員が一丸となって日々頑張っています。昭和14年頃に日本陸軍の依頼により分離された木材腐朽菌、地球上の木質系の有機物分解に必須の地球の掃除屋さん日本に一台しかない高温高圧の連続式水熱反応装置。水だけで有機物の分解を行い、その後の酵素反応を手助けします【私の学問へのきっかけ】私は将来、太陽エネルギーを有効に活用する技術開発に携わりたいと考え工学部を選択しました。いろいろと学んでいくうちに、太陽エネルギーを電気や熱に変えて利用することは良いことですが、貯蔵ができないことが欠点とわかりました。その点、光合成では物質中に化学エネルギーとして蓄えられることや、生合成された物質は必ず生分解されることを学び、生物の持つ機能のすばらしさを知りました。そこで、現在では生物の持つすばらしい機能を利用し、エネルギーや材料を開発したいと考えています。8

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