- 32 - ② 測定困難な成果の評価 小学校低学年における領域「ことば」での外国語活動による成果については,児童及び保護者に対するアンケート調査で経年変化に基づいて評価する。理数・技術教育については,例えば『算数・数学の自由研究』(理数教育研究所)などでの応募・受賞状況により理数・技術教育への関心・意欲・態度を評価する。また,理数・技術教育,外国語教育の互恵的な充実による関心・意欲・態度の高まりについては,子ども/教員/保護者に対するアンケート調査で経年変化に基づいて評価する。 Ⅴ 研究開発実施上の問題点及び今後の研究開発の方向 1 研究開発実施上の問題点 (1)研究開発体制の連携強化の必要性 本校園の全体体制として,研究開発の意義と方向性を共有し,職員一人一人がより一層主体的に実践に取り組めるように,全職員の意向が集約される機能の強化が求められる。また研究推進委員会が中心となって,全体体制の中における職員一人一人の研究開発の役割分担が明らかにされ,教科間・校種間での実践の連携体制のさらなる強化をしていくことが必要である。 (2)研究開発学校の評価の充実・実現の必要性 各校園独自で実施している既存の自己評価アンケートなどに,課題探求力・自己表現力・社会参画力の実態把握に必要な資料となり得る内容を盛り込んでいく必要がある。また,最終的な成果の評価をどのような形で行うのかという見通しを早期に立案していかなければならない。 (3)特別の教育課程の実施に伴う諸問題への対応 次年度より現行の学習指導要領に基づく教科書を用いながら,本校園の特別の教育課程を実施していく。この際に直面する問題として,本研究の教育課程に適した教材や活動の選定,教育課程として教材や活動の系統化,授業時数の適切な配分などが想定され,これらの諸問題についての対策を具体的に立てていく必要がある。 (4)ICT支援員と外国語指導助手(ALT)の不足 中学校段階における学習の単なる前倒しではなく,発達段階に即して資質・能力を育成するためには,教育課程を定期的に検討・修整していくことが課題となる。この課題を解決するためには,ICT端末の設定やネットワーク環境の管理,ICT活用に伴うシ種々のトラブルへの迅速対応,新しいアプリケーションソフトに関する教材研究等の業務に専従できるICT支援員の加配が必要である。また,幼稚園と小学校低学年における英語活動及び高学年における「英語科」でコミュニケーションを基本とする授業を充実するためには,次年度以降ALTの加配が必要である。 2 今後の研究開発の方向 (1)育みたい資質・能力を整理し,幼小中の接続を図る 幼稚園,小学校,中学校において,それぞれの学校段階における育みたい資質・能力について,子どもの具体の姿から語り合い,整理していく。整理した資質・能力を幼小中の職員が意見交換し,つなげていくことによって,幼小中の接続を図っていく。 (2) 評価法の開発 本校園で育みたい資質・能力がどの程度育まれているのかを把握するための評価法の開発を模索していく。学校園単独での評価法の開発は困難が予想されるため,評価法開発の実績を有する外部研究機関と連携を図りながら,本校園に適した評価方法の開発を進めていく。 (3)教育課程に適した教材や活動の選定に必要な教科書と指導書の整備
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